第116回 運送会社が「利益管理」を始めても、もうからない本当の理由

前回は、1運行の粗利は、シンプルに少ない項目で比較できる形にする方がよいというお話をしました。しかし実際には、数字を見始めても利益が改善しない会社が少なくありません。なぜでしょうか。今回はその原因について整理していきたいと思います。

運送会社が「利益管理」を始めても、もうからない本当の理由

前回は、1運行の粗利は、シンプルに少ない項目で比較できる形にする方がよいというお話をしました。しかし実際には、数字を見始めても利益が改善しない会社が少なくありません。なぜでしょうか。今回はその原因について整理していきたいと思います。

「数字を見ることが目的」になっている

最も多いのがこれです。

「データを集める」「表を作る」「利益を計算する」
ここまでは行っているものの、「誰が」「だからどう動くのか」が決まっていない。

例えば、

  • 赤字案件が見つかった
  • でも値上げはしていない
  • 配車も変わらない
  • 荷主との交渉もしない

これでは当然、利益は変わりません。

「全部やろう」として止まる

もう一つ多いのが、最初から完璧にやろうとすることです。

  • 全車両の原価管理
  • 全案件の分析
  • 詳細なKPI
  • システム連携

もちろん理想ではあります。ただ、現場では運用が続きません。
結果として、

  • 入力されない
  • 誰も見なくなる
  • 更新されない

そして仕組みだけ残ります。

利益改善は「現場の行動」が変わらないと意味がない

利益管理で本当に重要なのは、現場の判断が変わることです。
例えば、

配車:「この案件は拘束時間が長すぎる」
窓口担当:「この単価では継続できない」
管理者:「このルートは再設計が必要」

こうした判断につながって、初めて利益は変わります。

「赤字案件を断れない」問題

ここは運送業特有です。本当は利益が出ていない。でも、

  • 荷主との関係
  • 台数維持
  • 売上目標

こうした理由で続けてしまう。結果として、「忙しいのに利益が残らない」状態が固定化されます。

利益が改善する会社は“小さく変える”

逆に改善する会社は、大きく動きません。まずは、

  • 1荷主だけ見る
  • 1拠点だけ見る
  • 1ルートだけ改善する

ここから始めます。すると、

  • 現場が理解しやすい
  • 効果が見えやすい
  • 続けやすい

この状態が作りやすくなります。

まとめ

利益管理は、数字を作ることが目的ではありません。本当に重要なのは、“利益が残る判断”を現場でできるようにすることです。そして、そのためには、

  • 完璧を目指さない
  • 小さく始める
  • 行動を変える

これが重要になります。

次回は5月29日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社AppLogi 代表取締役

廣田 幹浩

国内大手コンサルティング会社SCM&ロジスティクスソリューショングループ グループマネージャー職を経て現職。300社を超える荷主向け物流効率化、数100社超の運輸・配送関連経営コンサルティングの実績をベースとして、2018年に株式会社AppLogiを設立。最新の運輸・配送関連クラウドアプリケーションを提供する。
株式会社AppLogi

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