第115回 運送業の「利益の見方」を変える~「1運行の粗利」をどうやって見える化するのか~

前回は、利益が残る会社は「1運行あたりの粗利」を見ているという話をしました。では次の壁です。それをどうやって現場で把握するのか? 「大事なのは分かるが、やり方が分からない」。ここで止まる会社がほとんどです。今回は、現実的に始められる方法に絞って整理します。

運送業の「利益の見方」を変える~「1運行の粗利」をどうやって見える化するのか~

前回は、利益が残る会社は「1運行あたりの粗利」を見ているという話をしました。では次の壁です。それをどうやって現場で把握するのか? 「大事なのは分かるが、やり方が分からない」。ここで止まる会社がほとんどです。今回は、現実的に始められる方法に絞って整理します。

最初から“完璧な数字”を目指さない

まず一番重要なポイントです。最初から正確な原価は不要です。正確に算出しようとすると、ここで止まります。車両ごとの減価償却を正確に出さないと……、人件費を分単位で計算しないと……、こう考えはじめた瞬間に、現場は動かなくなるため、最初はこう考えるとよいでしょう。
→「ざっくりでもいいから比較できる状態を作る」。これがスタートラインです。

まず必要なデータはこの四つだけ

最低限、これだけあれば始められます。

  1. 売上(運行ごと)
  2. 走行距離
  3. 拘束時間
  4. 燃料費(概算でOK)

これを基に、簡易的な運行ごとの収支を作ります。
売上 − 燃料費(距離 × 燃費 × 単価) − 人件費(時間 × 時給換算)= 仮の粗利

まずは現場で直感的に把握できる粗利はこれでよいでしょう。重要なのは、精度ではなく「差が見えること」です。

次にランキングを出す

数字が出たら、運行ごとに並べてみます。

  • もうかっている運行
  • もうかっていない運行

これを可視化します。ここで初めて見えるのが、

  • なぜか毎回赤字になる運行
  • 時間だけかかる案件
  • 単価の割に効率が悪い仕事

こうした“感覚では分かっていた問題”の正体です。

現場が直感的に理解できると一気に進む

この取り組みで重要なのは、管理側だけで完結させないことです。
例えば、

  • ドライバーに拘束時間を意識してもらう
  • 配車に「この案件は重い」と共有する
  • 顧客窓口(営業 or 配車)に「この単価では厳しい」と伝える

つまり、全員の判断基準をそろえることが目的です。1運行の粗利は、難しい仕組みがないと見えないものではありません。シンプルに少ない項目で比較できる形にする。これだけで会社の見え方は変わります。そして重要なのは、「見える化」した後に判断が変わることです。

次回は5月15日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社AppLogi 代表取締役

廣田 幹浩

国内大手コンサルティング会社SCM&ロジスティクスソリューショングループ グループマネージャー職を経て現職。300社を超える荷主向け物流効率化、数100社超の運輸・配送関連経営コンサルティングの実績をベースとして、2018年に株式会社AppLogiを設立。最新の運輸・配送関連クラウドアプリケーションを提供する。
株式会社AppLogi

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