第69回 運送業は何をデータ共有しておくべきか(1) 配車業務

前回のコラムでは、引き続きIT点呼・遠隔点呼の活用について、まとめをしました。さて今回のコラムから、運送業のデジタル化、DXを進めていくうえで、社内で何をデータ共有しておくべきかを考えていきたいと思います。

運送業は何をデータ共有しておくべきか(1) 配車業務

前回のコラムでは、引き続きIT点呼・遠隔点呼の活用について、まとめをしました。
新しい運行管理業務は、同一事業者内(事業所ではない)で運行管理が一元化できるようになり、また、IT機器を活用した体制を認めていくというと方向になります。今後さらに、事業者間でも認められる体制になっていくと考えられるため、点呼業務自体が大きく変わっていきそうです。

さて今回のコラムから、運送業のデジタル化、DXを進めていくうえで、社内で何をデータ共有しておくべきかを考えていきたいと思います。

配車業務に必要な情報共有項目

配車業務は、運送業にとって根幹の業務です。なぜならその内容の良しあしで、売上、利益、乗務員の体調、顧客サービスのレベルが決まってしまうからです。よって管理すべき内容も多くなってきます。企業規模が小さく、拠点数が少ない間は配車担当がしっかりしていれば、バランスがとれた運用が行えます。

しかし、企業規模が大きくなり拠点数も多くなってくると、ある拠点では仕事がついていないトラックがあるのに、ある拠点ではトラックが足りず協力会社を探すのに苦労しているということも珍しくありません。

このような課題をクリアするためには、配車担当が互いにコミュニケーションを取り合うのが最も良い対策で、それはごもっともなのですが、それがうまくできれば苦労しないというのも現実です。

「トラックが足りないのであれば、言ってくれればいいのに」
「そんないい仕事あるの? いつも運んでいる荷物と相性がいいのだけど」
「その方面はいつも、協力会社のA車に頼んでいるよ」

このような会話が日常的に出ていたら、会社としてはロスが発生しているということです。この会話が出ないようにするために、情報共有をしておいた方が良さそうです。

  • 拠点が所有しているトラックの車格と装備
  • 荷主と荷種
  • 空車情報
  • 依頼している協力会社

これは最低でも共有しておいた方が良い内容です。つまり配車表そのものが全社で共有されているとクリアできる内容ですね。

配車業務に配車システムは必要なのか

配車表を共有することはやり方によっては不可能ではなく、タイミングと配車表の形式によりそうです。

  1. 紙の配車表であれば、1日の配車がある程度固まった時点で、スキャナー・写真を撮ってメールで送る、またはFAXで送るということもできそうです。
  2. Excelの配車表であれば、同様にある程度、内容が固まった時点でメールにて送信するという方法があり、それがGoogle スプレッドシートのようなWeb上で共有できる形式であれば、ほぼリアルタイムに確認できる仕組みが作ることができそうです。
  3. ITツールとして配車システムを活用するという方法もありますが、さらに集計、請求などをより合理化された体制を求めることができます。

Excelの配車表ではダメですか? と相談を受けることがあるのですが、(2)のような運用方法によっては十分活用できると思っています。そのあたりの運用が成熟した時に、他のデータとの連携を考えて配車システムを導入するという考え方が良いかもしれませんね。

次回は6月14日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社AppLogi 代表取締役

廣田 幹浩

国内大手コンサルティング会社SCM&ロジスティクスソリューショングループ グループマネージャー職を経て現職。300社を超える荷主向け物流効率化、数100社超の運輸・配送関連経営コンサルティングの実績をベースとして、2018年に株式会社AppLogiを設立。最新の運輸・配送関連クラウドアプリケーションを提供する。
株式会社AppLogi

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