第150回 3つの「わ」

まずは、協力の「和」が生まれます。次に、改善の「輪」が広がります。そして、事故「0」が達成できます。社員の「和」により会社が「輪」になって、全員で事故「0」を目指しましょう。

3つの「わ」

事故件数は「稼働日数=道の上の総時間数」が少なければ自然減になります。

同時に売り上げも「稼働日数=運賃の発生回数」が少なければ自然減になります。

運送会社に勤務していた頃、1月・2月・5月・8月を迎えると「安全担当時は良い月」と思い、「営業担当時には良くない月」のイメージを抱いていました。

しかしながら、月間の事故件数において自然減の背景があったとしても、事故ゼロには特別な意味があり、努力や理由なくして達成できるものではないと思います。

それは月間で1日でも稼働すれば、月間で1件以上の事故が発生する確率がゼロではなくなるからです。

各社が事故ゼロを達成するための手段として、過去や他社の事故事例を参考に社内で取り決めた安全のルールに取り組んでいます。

そのルールからの逸脱を指摘するためには、ルールの明確化や教育による周知が条件です。

特に安全の取り組みに対しては仲良し以上の仲間として、互いに指摘し合える職場環境を目指しましょう。

まずは、協力の「和」が生まれます。

次に、改善の「輪」が広がります。

そして、事故「0」が達成できます。

指摘に対して「言われていないからやらない」という言い訳が聞こえてくれば、「言われたらやりますか」と問うてみましょう。

「言われていないからやらない」との言い訳は、「やりたくないからやらない」との自己都合をすり替えているようにも聞こえますよと伝えてみましょう。

「他者がやっていないからやらなくてよい」との個々の判断基準を社内で放置すると、「他社もやっていないからやらなくてよい」との会社の風土にも表れます。

「他社がやっていなくてもできることはやる」との考え方により統一された行動が、自社のブランドになります。

やがては「他者ができていないことができる」ようになり、その行動が社員のプライドになります。

そのプライドを持った集団作りにより、他社との差別化で収益を確保して、働き方改革を進めるための原資が生まれます。

誰かが決めた「安全(のルール)を守る」以上に。

自分が決めて「安全(のこだわり)を作る」もの。

ルールとは、誰かに守れと言われるよりも、自分で決めると守りやすいものです。

ルールを守らない社員が、得をするのではなく。

ルールを守っている社員が、損をすることなく。

ルールとは、ひとりで守ろうとするよりも、全員で守ると守りやすいものです。

社員の「和」により会社が「輪」になって、全員で事故「0」を目指しましょう。

ありがとうございました。

次回は6月21日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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