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第135回 安全に抜け道なし
「信号機が有る幹線道路」と「信号機が無い抜け道」とでは、どちらが安全でしょうか。歩道が分離されていて、信号機や横断歩道がある幹線道路の方が安全なはずです。それでも「信号機が無い抜け道」を選択するのは「安全に到着よりも早い到着」を優先している状態だと判断できます。安全に道を通行するには、安全な道を選択することから始まります。
安全に抜け道なし
トラックドライバーだけでなく、仕事中に車を運転される人は、多くの抜け道(裏道)をご存じだと思います。
目的地へ向かう経路を検討時に、抜け道を優先することは急ぎの心理の表れであり、交通事故の危険が高まります。
なぜならば、抜け道には「安全に到着よりも早く到着」を優先して急ぎの心理で運転している人が多く「危なくて険しい危険な道」だからです。
まさに「安全に抜け道なし」です。
「信号機が有る幹線道路」と「信号機が無い抜け道」とでは、どちらが安全かと問うてみましょう。
歩道が分離されていて、信号機や横断歩道がある幹線道路の方が安全なはずです。
幹線道路は「信号待ちの停止時間が発生して時間が掛かる」と感じて、「信号機が無い抜け道」を選択するのは「無事よりも到着を優先」している証拠です。
無事とは「事故が無い」との意味です。
また「車で移動」しているのではなく「車を運転」しているのですから、運転中には疲れも生じます。
運転とは「運が転ぶ」と書きます。
信号待ちの停止時間を「運転中の小休止の時間」と考えれば、良い方向に運が転ぶようになるでしょう。
夜間の走行時において街灯が多く見通しが良いのは、抜け道ではなく幹線道路です。
トラックドライバーに、道路幅が広い幹線道路と道路幅が狭い抜け道とではどちらが安全かと問うてみましょう。
社内で問えば、道路幅が広い幹線道路を選択するはずです。
それでも車内では抜け道を選択したくなることもあります。
その選択は、同時に道路幅が狭い道を選択するになり「安全に到着よりも早い到着」を優先している状態だと判断できます。
トラックドライバーが入社後5カ月から6カ月の間に発生する「初任運転者による交通事故発生の要因」は、トラックの運転に慣れてきて、バック走行時等に「確認を省く」ことももちろんですが、運送の仕事に慣れてきて「安全な道よりも早く到着できる道を選択」するとの「経路の選択間違い」により、発生しています。
運転に慣れていない頃だけ、経路の指導をするのではなく。
運転に慣れてきた頃にも、到着時間と到着地を指示するだけでなく。
経路や休憩地も確認することで、交通事故を防止できます。
安全に道を通行するには、安全な道を選択することから始まります。
それは、国土交通省が定めた一般的な指導及び監督の指針(国土交通省告示第1366号)の項目で「適切な運行の経路及び当該道路における道路及び交通の状況」が含まれていることからも明らかです。
安全には「これさえやれば絶対に安全になれる」との特効薬はございません。
安全には「これをやれば早く安全になれる」との即効薬もございません。
安全には王道はなく。
安全には早道もなく。
安全に通じる道は地道のみ。
まさに「安全に抜け道なし」です。
ありがとうございました。
次回は11月9日(金)更新予定です。
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