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第161回 つながる会話で広がる人の輪
多くの人との会話の経験とは人脈の形成や信頼の醸成のみならず、多くの人が話を聞いてくれるようになるためのノウハウを得るようなものです。
つながる会話で広がる人の輪
苦手な話題でも、苦手な相手でも、会話を続けなければならない場面があります。
「苦手な話を聞く練習」や「苦手な人と話す練習」だと自分に言い聞かせて、会話に臨むこともありました。
苦手な話題や相手にも勇気を持って飛び込むことで、苦手が少しずつ得手に変わって楽になり、いつしか相手の懐に飛び込む挑戦を楽しめるようになるものです。
まずは、相手のタイプによって会話量のバランスを設定するとよいでしょう。
押してくるタイプには少し引き気味で、最後に押して伝達。
引いてくるタイプには少し押し気味で、最後も押して確認。
相手の意図を読み、その意図を「要するに……」と要約してキーワードにすることで、相手が「そうそう!」と喜んでくれます。
「例えば……」と事例を交えて確認することで、相手が「それそれ!」と喜んでくれます。
相手に合わせた事例の選択において、集客方法や品質向上を飲食店に例えるならば、ドライバーは「そば屋さんよりもラーメン屋さん」になじみがあるように感じます。
電車通勤をしている管理者で年配層になれば「ラーメン屋さんよりもそば屋さん」を事例に挙げるようにしています。
相手に合わせた会話とは、一方的に押す(話す)のではなく、全面的に引く(聞く)のではなく。
相手の表情から心情を察して、押したり引いたりの加減を繰り返しながら結論を導くことだと思います。
会って話す会話は、互いの時間を費やすぜいたくなものである分、意思疎通が容易になり効率の良い時間といえます。
商談では、打ち合わせ中に好反応を得られた手法やキーワードを、今後の提案や提供する仕事内容に織り込むことで、打ち合わせに費やした双方の時間は無駄にはならず「会ってよかった」と思ってもらえれば、また会う機会を与えてくれるものです。
思うような会話ができなかったとしても、得られた情報をその後活用することで無駄な時間にはなりません。
言い換えると、会って話しているその瞬間には「無駄話」と即日判断はできず、会って話したり、聞いたりしたことを結果的に全く活用できなかったときに「無駄話だった」と後日確定します。
上司や部下はもちろん、社外や異業種の人の話を聞くことで多くの人の考え方を知ると同時に、その人の伝え方も知ることができます。
また「物の見方と考え方」や「聞き出し方と伝え方」など、日常の生活や何気ない会話からもヒントを得ることが多々あります。
多くの人との会話から自身の伝え方を増やすことで、多くの人に発信して良い影響を与えられる管理者を目指しましょう。
その人を知ろうとすることで自身を知ってもらい、その人にまた誰かを紹介してもらい、会話の機会が広がるのが人の輪です。
多くの人との会話の経験とは人脈の形成や信頼の醸成のみならず、多くの人が話を聞いてくれるようになるためのノウハウを得るようなものです。
個々の仕事の進め方が問われる昨今においては、行動計画の立て方による「人との効率的な会い方」も働き方の改善といえるでしょう。
ありがとうございました。
次回は11月29日(金)更新予定です。
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