第111回 フォークリフトで売上と利益が向上する方法

フォークリフトは荷役作業の労力と時間を短縮できる便利な乗り物です。便利な乗り物は使い方を誤ると危険な乗り物です。お客様の構内でプロの確認方法や点検方法を魅せることで、会社の利益確保や売上向上も期待できます。

フォークリフトで売上と利益が向上する方法

フォークリフトは荷役作業の労力と時間を短縮できる便利な乗り物です。

便利な乗り物は使い方を誤ると危険な乗り物です。

雨が降らなければ商品の雨濡れ事故が無いように、フォークリフトを使わなければ爪の差し込み不備による商品やパレットの損傷はもちろん、パレット積みではなくバラ積みであれば荷崩れ事故は起こらないものです。

便利な乗り物を簡単な乗り物と勘違いすると、危険を招く落とし穴。

早く作業をするのが格好いいのではなく、確実に作業をするのが格好いい。

停まる姿や確認をする姿は格好よく、周囲の人にも商品にも優しい姿です。

フォークリフトが絡むミスや事故は、作業の途中で話し掛けられたり、着信した携帯電話で通話したりした直後に発生しやすくなります。

「危険な乗り物」と認識して安全に集中するために、次の動作に掛かる前に「1秒」の間を取ることもミスや事故の防止策です。

ふたつの動作を同時に行わず「初心=カクニン」を思い出して「停まる(てーし)と確認(よーし)」を実践しましょう。

フォークリフトの特性として、性能の限界を超えると横転などに繋がる危険性が挙げられます。

そしてトラックと同様に、フォークリフトにも死角があります。

その「見えない死角」を「見える視界」に変えるための確認方法として、動き出す前の降車確認と要所での指差呼称確認を。

確認を確実に行うことで、確実に安全になれます。

まさに「停まって・降りて・歩いて目視」の一手間に勝る確認はなし。

その一手間を省く原因は「焦り」や「慣れ」によるものが多い。

社歴が浅いドライバーは「焦り」によるものが多い。

ベテランのドライバーは「慣れ」によるものが多い。

危険の発生には原因があります。

安全の対策には理由があります。

危険な状況を上回る安全な行動により、無事故や無災害を継続できます。

フォークリフト事故とトラックによるバック事故の共通点は「構内で発生すること」と「下車確認により事故をゼロにできること」。

現代のトラックドライバーは、出先でのフォークリフト作業がつきものです。

作業スペースにおいて、突起状の屋根やシャッターボックスなどにフォークリフトのマスト接触による事故痕跡が有れば、自身も上部の見落としにより同様の事故を起こす可能性があると判断して対処すべきです。

床面の段差や傾斜などの危険の原因を探すこととあわせて「天と地」の確認を。

特にお客様が所有されているフォークリフトに乗務前は、簡単にでも目視点検をしましょう。

例えば前輪タイヤの空気圧が極端に減っていれば、積載時の危険度が増します。

「マストが垂直状態にあるか」や「両爪が平行状態にあるか」を建物の柱などと見比べて確認して、傾斜がある場合にはより慎重な操作と旋回が求められます。

最後に。

フォークリフトとトラックの点検方法は基本的には同じです。

確認すべきは「ブ・タ・バ・ラ・ニ・ク」。

ブレーキ・タイヤ・バッテリー・ライト・荷役関係・クラクションの頭文字で覚えましょう。

トラックを運転中に事故をするかもしれないとの「かもしれない運転」と同じく。

フォークリフトが作業中に故障するかもしれないとの「かもしれない点検」を実施しましょう。

お客様の構内でプロの確認方法や点検方法を魅せることは、自身のミスや事故を防止して会社の利益を確保することができるうえ、「付帯業務としてフォークリフト作業は別料金」とお客様がご認識されることで、会社の売上が向上することも期待できます。

ありがとうございました。

次回は11月24日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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