第110回 ドラレコで事故処理ではなく事故防止

多くの運送会社でドライブレコーダーを導入されています。ドライブレコーダーの映像により過失がないことを立証できたとしても、被害事故によりドライバーがケガをすれば、それは不幸のはじまりです。ドライブレコーダーを事故処理だけではなく、事故防止にも活用しましょう。

ドラレコで事故処理ではなく事故防止

多くの運送会社でドライブレコーダーを導入されています。

ドライブレコーダーを導入すれば、事故やトラブル発生時に客観的な証拠を得られる等のメリットがあります。

ドライブレコーダーの映像により過失がないことを立証できたとしても。

被害事故によりドライバーがケガをすれば、それは不幸のはじまりです。

ドライブレコーダーを事故処理だけではなく、事故防止にも活用しましょう。

そして、ドライブレコーダーで常にドライバーの運行を親身に見守りましょう。

さらに、年に1回以上の添乗指導でドライバーと一緒に運転を見直しましょう。

ドライブレコーダーやデジタルタコグラフを装着するだけで安心することなく。

ドライバーとそのご家族が安心できるような安全を築くために活用しましょう。

ドライブレコーダーは「至高の安全対策である添乗指導」の機能を代行してくれます。

そう考えると、添乗指導とは「人間ドラレコ」の機能も有しています。

言い換えると、添乗指導とドライブレコーダーの併用活用で安全効果が高まります。

管理者が時間を割いて実施する「添乗指導の代わり」と考えれば、「ドライブレコーダー映像を確認」することへのストレスも軽減されるのではないでしょうか。

もしも車内だけでなく、社内にもドライブレコーダーのような録画カメラが装着されていたら……。

ドライバーによる運転室内の整理整頓と同じく。

内勤者が机上の整理整頓や姿勢を正して確認に努めることで、仕事のミスを防止できます。

せっかくのドライブレコーダーも、装着するだけでは事故処理のツールです。

それでは「もったいない!」。

ドライブレコーダー映像を、点呼で会話のきっかけにするポイントと手順があります。

ドライブレコーダー映像を、社内での研修資料に活用するポイントと手順があります。

常時録画タイプであれば「ありがとう!」との合図(ハザードの点滅や会釈等)を送られた際の運転映像を見て、まねることも良いでしょう。

インターネット上で “神対応”と称されるような良い運転映像を見て、まねることも良いでしょう。

タイプを問わずタコグラフはドライバーの「走り方」を確認できます。

ドライブレコーダーではドライバーの「停まり方」を確認しましょう。

ドライブレコーダーを活用した安全指導のポイントは「走り方より停まり方」です。

現在、運行記録計においてはデジタルタコグラフが全盛の運送業界。

運行中にも、自分の運転を自主的に修正できるのがデジタルタコグラフの特長です。

運行後には、自分の運転を客観的に振り返れるのがドライブレコーダーの特長です。

その昔、私がドライバーだった頃……。

帰社後に運転日報やチャート紙に運行内容を記入する時間は、ドライバー同士での絶好のコミュニケーション機会でした。

今日の出来事を語り合う中で、ヒヤリハット体験を教え合ったり。

明日の予定を言い合うことで、構内の見取り図を書いてもらえたり。

ドライバーが集う休憩スペースは、さながら「安全の社交場」のようでした。

先輩ドライバーとの会話で育ててもらった、古き良き時代も思い出しながら。

ありがとうございました。

お知らせ

コラム関連製品のご紹介

「第110回 ドラレコで事故処理ではなく事故防止」に関連した製品をご紹介いたします。

【デジタルタコグラフ】

富士通製 デジタルタコグラフ 「DTS」シリーズ

矢崎エナジーシステム ネットワーク型デジタルタコグラフ「DTG7」

【ドライブレコーダー】

デジタコ一体型ドライブレコーダー「YAZAC-eye3T」

次回は11月10日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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