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第109回 運送業は現場でKAKUNIN
多くの運送会社がやりたいであろう“あること”があります。それは、コストを掛けずにできること。それは、コストを掛けてもできないこと。
運送業は現場でKAKUNIN
多くの運送会社がやりたいであろう“あること”があります。
それは、コストを掛けずにできること。
それは、コストを掛けてもできないこと。
その“あること”を全員の習慣にして、会社の風土にしたいと思うのは「指差呼称確認」。
運送の現場における確認方法の優先順位は、下記の順だと思います。
1位:複数人で確認
2位:複数回の確認
3位:指差呼称確認
たとえばバック走行時に誘導者がいれば誘導してもらうことが一番良い。
しかし多くのドライバーはワンマン運行にて誘導者がいない場合が多い。
だからひとりで下車して後方を目で確認。
ひとりで仕事をしているドライバーには「指差呼称確認」が有効です。
自分の目で確かめたことを、指を指して声を出して自分を正しいと認めるのが「指差呼称確認」です。
何度も確認する時間が無いドライバーには「指差呼称確認」が有効です。
ひとりで1秒でできて、1回の確認でエラーを防止できるのが「指差呼称確認」です。
製造業では「現場をKAIZEN」が有名です。
運送業では「現場でKAKUNIN」が有効です。
交通事故の背景には、必ず要因があるものです。
その要因が人のエラーであれば、添乗指導時にはそのエラーを確認して改善します。
確認のやり方を知識として「知らなかったのか? 忘れていたのか?」
確認のやり方を行動として「できなかったのか? やらなかったのか?」
安全の結果とは確認の技術によるものであること。
ちなみに初心を忘れると怠るのは確認と報告です。
確認を怠ると仕事が「いいかげん」になり、仕事の精度が低下します。
報告を怠ると仕事が「やりっぱなし」になり、仕事の評価が低下します。
また、これからの管理者は、安全研修の社内講師と添乗指導の車内講師の「ふたつの講師」になることが期待されています。
伝えた時には相手に伝わったとしても、その後の確認を怠ってしまうと伝えたことが継続しにくくなるものです。
管理者が社内研修や掲示物で一斉に伝えたことを、ドライバーに点呼や添乗指導で個別に確認しましょう。
ドライバーが誰かを傷つけたり、何かを壊したりしてしまう前に。
管理者はドライバーを社内で確認。
ドライバーは社外や車内で確認を。
社内における管理者の確認の技術により、ドライバーの事故や失敗を未然に防ぎましょう。
安全とは目に見えないものですが、安全そうに見える人は、目に見える安全確認の方法を実践しています。
指差呼称確認は、自分が安全になって周囲の人が安心する確認方法です。
「見えない危険」を観るために「指差呼称確認」を。
「見える安全」を魅せるための「指差呼称確認」を。
人は誰でも失敗の経験があり、その失敗が道の上で運転中なら、犯罪として裁かれます。
日頃から失敗しないための行動を習慣にすることで、道の上での失敗を防ぐことができます。
失敗をしないための行動とは確認のやり方と回数。
注意をする以上の確認を。
気をつける以上の確認を。
指差呼称確認を日常的に行うことで、道の上以外での失敗も防ぐことができます。
ありがとうございました。
次回は10月27日(金)の更新予定です。
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