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第115回 運び方改革
「誰がどのようにして届けるのか」により、配送先様における商品への価値が変わります。言い換えると、荷主様の製品の商品価値は、運送会社の届け方により変えることができるということです。「製品の価値を高めてくれるから」との理由で選ばれる運送会社になることを、「製品」を出荷される荷主様と「商品」の到着をお待ちの配送先様が待っておられます。
運び方改革
荷物とは、荷主様から出荷された時点では「製品」と言われています。
荷物とは、配送先様には「商品」として届けられます。
「誰がどのようにして届けるのか」により、配送先様における商品への価値が変わります。
言い換えると、荷主様の製品の商品価値は、運送会社の届け方により変えることができるということです。
運送会社がお客様から選ばれるのが「運賃が安いから」との理由であれば、その理由は、ドライバーが働く時間が長くなる原因になり、「働き方改革」の推進を妨げる要因にもなります。
「製品の価値を高めてくれるから」との理由で選ばれる運送会社になることを、「製品」を出荷される荷主様と「商品」の到着をお待ちの配送先様が待っておられます。
価値を高めるためにも、お客様から「あたりまえ」と思われる安全を安定的に提供して、「ありがとう」と言われる品質にもこだわりましょう。
日常的な安全教育をしていない業種では「事故さえしなければよい」や「事故をしていないからよい」とも考えがちです。
一つの事故が起これば、1人以上の人生が台無しになることは、多くの事故を経験してきた運送業界なら分かること。
運送業界に入って事故を経験して安全を覚えるのではなく、安全を「安全の教育機会」である研修で学ぶことが、生涯無事故への近道です。
- 運送会社で計画的に研修を開催すること→「自社の努力でできること」
- 全員で決めたルールを守ること→「自分の努力でできること」
- 全員の事故をゼロにすること→「上記1と2の結果」
上記の1と2は社内的な努力により実行できます。
上記の1と2の努力をせずに、事故ゼロは「ありえない」との考え方です。
研修で知ったことを、管理者はドライバーに社内で発信して確認することが管理者研修の目的です。
研修で知ったことを、ドライバーは社外で実践して確認することがドライバー研修の目的です。
品質においては、お届けする商品の価値を高めるために、各地の運送会社で「正しい挨拶の唱和訓練」を提供しています。
ドライバー向けの挨拶に関する教育は、法律では定められていないがゆえに、「やるかやらないか」によって、コストを掛けずに単価を上げつつ、ライバル社との競争に勝ち抜ける要素があると実感しています。
「誰もやらないことに取り組む」ことと「誰もできないことに取り組む」こと。
それが仕事の醍醐味であり、お客様から「ありがとう」と言われる由縁です。
「笑顔」とは表情において「演じる」こと。
「挨拶」とは言葉において「演じる」こと。
「疲れている・イライラしている・焦っている」ことを表情や行動に出すのではなく、マナーの良い自分を「プロとして演じきる」こと。
「表情(笑顔)・言葉(挨拶)・動作(お辞儀)」の中で、一番簡単な「演じ方」は笑顔です。
ドライバーの笑顔によって、お客様を笑顔にしましょう。
ドライバーの「働き方改革」を推進するために、ドライバーによる「運び方改革」にも挑戦しましょう。
ありがとうございました。
次回は1月26日(金)の更新予定です。
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