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第129回 優しさと厳しさ
「長所を伸ばすための優しさ(ほめる)」と、「短所を直すための厳しさ(しかる)」。添乗指導による交通事故防止には、指導員の「人への優しさ」と「人と安全への厳しさ」が必要です。
優しさと厳しさ
「長所を伸ばすための優しさ(ほめる)」と、「短所を直すための厳しさ(しかる)」。
添乗指導による交通事故防止には、指導員の「人への優しさ」と「人と安全への厳しさ」が必要です。
厳しくされることは誰しも嫌がるものですが、厳しさの先にある目標が明確になっていれば、誰もがその厳しさを乗り越えられるものです。
ダイエットをサポートする会社でも、まさに優しさ(目標達成を応援する口調)と厳しさ(目標達成のための減量プログラム)を持ち合わせているからこそ、多くの顧客に結果が生まれて、次の顧客が生まれていると思います。
「減量をしたい」以上に「減量をして○○○をしたい!」の「○○○」の部分が明確な目標です。
「減量をしたい」との漠然としたイメージだけで、その目標が明確でなければ、過酷なプログラムには挫折すると思います。
その目標には「楽しさ」を求めるものと、「悔しさ」から脱するものの二種類に分かれると思います。
例えば歩行するためのリハビリでも「自分で歩けるようになる」との目標以上に、「歩けるようになって○○○を楽しみましょう!」との目標を語り掛けることにより、努力を継続できるそうです。
安全においては、ドライバーが「交通事故を起こしたくない」以上に、ドライバーの「交通事故を起こさず、いつまでも○○○を続けたい!」との目標を明確にしましょう。
○○○の部分には、自身の趣味や家族との生活があてはまります。
安全への取り組みや健康への取り組みでは、優先順位を決めることで欲求を抑えたり、成果を楽しんだりすることができます。
健康であれば「○○○ができる!」との健康の先にある目標を目指すことで成果を出しやすくなることも、安全への取り組みとの共通点です。
交通事故防止のために、安全の先にある「楽しさ」と、事故の先にある「悔しさ」を伝えましょう。
ドライバーが安全になって「○○○ができるようになった!」との結果を管理者が目標にすることで、管理者も「楽しさ(優しさ)」と「悔しさ(厳しさ)」の両面を持ち合わせて、指導にあたることができます。
悔しさがあるから楽しさを求めたり、悔しさがあるから楽しさにありがたみを感じたりします。
悔しさから逃げようとすることは、本当の楽しさを得る権利を放棄することにもなりかねません。
成功経験から感じる「楽しさや嬉しさ」と、失敗経験から生まれる「悲しさや悔しさ」により人は成長できます。
「楽しさと悲しさ」は経験したドライバーが感じるもの。
「嬉しさと悔しさ」は経験したドライバーと、指導して経験させた管理者が感じるもの。
その「素直な感情」により「今までの反省」ができて「次への意欲」が生まれます。
挑戦と経験と反省と成長を繰り返すのが人生です。
その人生において、報酬を得ながら学べる機会が仕事です。
親身になって安全を願い、時に指摘し合えるのが真の仲間です。
そして、指摘し合える真の仲間が集う場所が「安全で働きやすく、事故が無くて長く働ける運送会社」です。
ありがとうございました。
次回は8月17日(金)の更新予定です。
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