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第130回 事故に不思議の事故なし
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とはスポーツや武道などの勝負の世界で用いられる格言。安全の世界では「事故に不思議の事故なし」といえます。原因に対しては、改善できる方法を考えましょう。理由に対しては、継続できる方法を考えましょう。運送業界のトーナメント戦で勝ち残るには安全を、勝ち抜くには品質を。
事故に不思議の事故なし
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とはスポーツや武道などの勝負の世界で用いられる格言。
安全の世界では「事故に不思議の事故なし」といえます。
なぜなら事故には必ず原因があり、その原因への防御ができていないと、何度も同じ事故(負け方)を繰り返すからです。
安全も「失敗した(負けた)ときに原因を考える」だけでなく、「成功した(勝った)ときの理由も考える」こと。
原因に対しては、改善できる方法を考えましょう。
理由に対しては、継続できる方法を考えましょう。
団体スポーツ競技における一流選手は、まずは試合に出場することを目指して、練習を積み重ねてきたはずです。
いつしか「出場機会を得られること」だけでは満足できずに、他のチームで同じポジションの選手との競争に挑みます。
ビジネスの世界でのライバルは「まずは社内」で「つぎに社外」に存在するのと同じことです。
現在の優位性にしがみついていれば、おのずと将来のライバルに後れをとるのも同じことです。
団体スポーツ競技において、サッカーに匹敵するほど多くのファンや愛好者を擁する野球。
私たちが研修で講師を担当することは、野球に例えると投手ではなく捕手に近い仕事です。
捕手が決めたプラン(サイン)どおりに投げ込もうとする投手の役割ではなく。
状況や相手打者に合わせて試合(投球)を一球一球組み立てる捕手のように。
講師の場合は一言一言を組み立てながら研修をする捕手のような仕事です。
また投手と野手がホームベースに向かって立っているのに、唯一捕手は反対向きに立っていることも、捕手と講師の共通点。
捕手(講師)のみが見える視界があり、全体像を把握できます。
全体像を見ながら、的確な指示(講師の場合は質問)をすることも共通点です。
さて、今年も熱戦が繰り広げられている夏の高校野球。
選手の皆様が日ごろの地道で厳しい練習に耐えられるのは、「甲子園の舞台」という明確な目標があるからだと思います。
また、甲子園出場の常連校とは、練習環境の違いや有望選手が集まりやすいだけでなく、甲子園に出場した先輩が身近にいて、「今の練習は厳しいが厳しい練習の先に甲子園出場の夢が叶い全国制覇も狙える」との身近な事例(目標)があることも要因だと思います。
私たちは運送会社で働く皆様を、スタンドからではなくベンチから応援しています。
応援団やファンよりも身近なチームメートです。
チームメートゆえ、時に強い口調で指摘や指導をすることもありますが、私たちが運送会社で働く皆様の「応援団やファン以上の仲間」であるからこそと受け止めてください。
運送業界のトーナメント戦で勝ち残るには安全を、勝ち抜くには品質を。
昔、某スポーツメーカーのテレビコマーシャルで下記のナレーションがありました。
「練習では自分が一番下手だと思え、試合では自分が一番上手だと思え」。
練習中は謙虚に、試合中は大胆にとの意味合いだと思いますが、私たち研修講師にも通じる点があります。
プロデキューブも「全国制覇に向けてあと3県」を目標に、これからも「謙虚に大胆に」をモットーに。
ありがとうございました。
次回は8月31日(金)の更新予定です。
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