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第105回 「あたりまえ」と「ありがとう」
まずは、お客様から「あたりまえ」と思われる安全への取り組みを。つぎに、お客様から「ありがとう」と言われる品質への取り組みを。
「あたりまえ」と「ありがとう」
運送会社に依頼されるお客様から見れば、運送会社が安全であることは「あたりまえ」だと言えます。
お客様は安全ではない運送会社には仕事を依頼しません。
お客様が望む「あたりまえ」の状態を提供し続けるには、運送会社において「あたりまえ」の状態を続けるための「努力=教育+習慣」が必要です。
そのためにも、安全であることが「あたりまえ」と思わないことから始めましょう。
安全であることが「あたりまえ」と思えば、安全に対する努力が低下しますから。
その努力の結果として、運送会社で働くドライバーには、安全を好きになってほしい。
ドライバーは仕事中だけでなく、プライベートで運転する際にも確認が得意になってほしい。
「趣味は安全で特技は確認です」と言えるドライバーになってほしいものです。
お客様から仕事を頂けることも「あたりまえ」と思わず、「ありがとう」の気持ちを挨拶と行動で表現しましょう。
お客様の「あたりまえ」を超える品質を提供することで、お客様から「ありがとう」と言われます。
品質が良いか悪いかは運送会社で決められるものではなく。
お客様が他社のドライバーとの比較により決めるものです。
特に「挨拶・身だしなみ・車輪止め」のやり方は、法律では定められていません。
「やるかやらないか」は各社の取り決めに委ねられています。
「できたかできていないか」は各社の取り組みにより左右されます。
よって「挨拶・身だしなみ・車輪止め」とは各社の価値を高める自由競争の領域です。
価値とは管理者による「教育=努力の結果」であり、ドライバーによる「習慣=努力の結果」です。
「挨拶・身だしなみ・車輪止め」とは見える教育の結果です。
「挨拶・身だしなみ・車輪止め」とは魅せる社員の価値です。
管理者は、他社と自社の取り決めを比較してみましょう。
ドライバーは、他者と自分の取り組みを比較してみましょう。
安全なドライバーは、挨拶や身だしなみも安定しています。
安全なドライバーで、ポロシャツの裾を出しているドライバーは似合いません。
それは「シャツを出さずに声を出せ!」と言わんばかりに、挨拶訓練や指差呼称訓練に取り組んだ結果です。
ドライバーによる車輪止めの装着状態は、経営者の考え方や管理者の言動による教育の結果が静止状態で映るので、他社や他者との比較が容易にできます。
他社や他者よりも、できているところはキャッチフレーズにして社外に発信しましょう。
他社や他者よりも、できていないところは社内ルールにして社内で発信しましょう。
まずは、お客様から「あたりまえ」と思われる安全への取り組みを。
つぎに、お客様から「ありがとう」と言われる品質への取り組みを。
ありがとうございました。
次回は9月1日(金)更新予定です。
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