ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第197回 オンライン研修講師のひとりごと
オンラインを活用した会議や研修の際、「カメラ越し&マスク越し」の状態では、笑顔以上に「大きくうなずく」ことでのリアクションや、発表時には少し大げさなぐらいの身振り手振りを添えることで、意思疎通のレベルは各段に向上します。
オンライン研修講師のひとりごと
運送業界でもオンラインを活用した商談ならびに会議や研修が増えていますが、参加する際にはマイクをミュート状態にしつつもビデオをオンにすることが、オンライン上でのマナーとして徐々に浸透しているようです。
さらには、ビデオ画面における「社名や氏名」の表記とは、対面でお会いする際に名刺を持参する行為に通じます。
同じく、ビデオをオンにしての「顔出し」については、懇親会等での大勢が集まる会場で積極的な声掛けにも通じます。
オンライン研修の講師の立場としては、研修1回あたりの所要時間ならびに伝える項目は、対面形式での研修と比較して「約6割」が妥当であると考えます。
ただし、移動せずとも自社や自席でも受講可能であるとの利点から、研修の開催回数を多くすることで「約8割」程度まで向上すること可能と考えます。
オンライン研修への受講者の反応は自席から受講できることへの感想が多く、「移動しなくてよいので時間的な都合をつけやすい」と好意的である反面で、「自席では業務が気になってしまい研修に集中しにくい」との声もあり、社内で「応接室や会議室など業務が気にならない環境がない」ことを理由に、ご自身が通勤で使っているマイカーにノートパソコンを持ち込んで受講された管理者もいました。
また、トラック協会様等の団体からの研修ご依頼時には、研修を通じて「受講者にオンラインに慣れていただく機会も提供してほしい」とのご要望も多く、研修中には受講者からの発表機会を意図的に多く設定して対応しています。
また研修中に相互の意思疎通を図るための、質問への発言やチャット機能による発表の機会も想定して、受講の際には「マイクやカメラ機能を有したパソコンを使用」かつ「一人一画面を割り当てる環境」が望ましいと考えます。
そうすれば、「全員への質問」によって講師の話を聞くだけの研修ではなく、一人一人が考える研修や話す研修(=他の受講者の意見も聞く研修)が提供でき、さながら全員が最前列席で受講しているような環境が可能になります。
他には、スマートフォンでの受講は小さな画面を長時間見続けることになり疲労が増すようです。
またミュートボタンの解除やチャット対応の入力の度に、画面を操作するために近づく指がこちらに飛んでくるように見えてお勧めできません。
自席で受講されている人の中には、周囲の目もあり声を出しにくいと感じることもあるでしょう。
それぞれが「カメラ越し&マスク越し」の状態であることから、他の受講者の表情も把握しにくく、発言等が消極的になりやすい傾向もあると思います。
これらの状態は、笑顔以上に「大きくうなずく」ことでのリアクションや、発表時には少し大げさなぐらいの身振り手振りを添えることで、意思疎通のレベルは各段に向上します。
安全な人が雪道を走行すれば一層安全になり、危険な人は雪道では一層危険になるように。
日頃から伝え方に長けている人は、オンラインでも伝え方を工夫することで「マスク越し・画面越しでも・意思疎通」に長けているようです。
最後に。
今回のコラムの内容は、皆様にうなずいていただけましたでしょうか?
ありがとうございました。
次回は5月14日(金)更新予定です。
前の記事を読む
次の記事を読む