第191回 運転室内の整理整頓で事故防止

個人的に関心や興味があるものは、時に運転を阻害する要因になる危険性が否めません。車内での物の片付け方としては、ダッシュボードや助手席に「置く」のではなく、決めた場所に「入れる」ことを優先しましょう。

運転室内の整理整頓で事故防止

運転中、車内での脇見を誘発するものの一つは漫画です。

漫画は文庫本と比較して絵が多くて文字が少なく読みやすいとの特徴や、「先週の続きを楽しみにしている」との早く読みたい心理から、渋滞時に運転しながら購入したばかりの漫画を手にしたり、信号待ち時には信号が青に変わっていることを気付かないほど「運転中の読書」に没頭したりするドライバーも散見されます。

ほかにも釣りやゴルフなどの趣味に関する雑誌も写真が多くて「運転中のチラ見」の対象となりやすく、漫画と同じく関心があって自身で購入した本は、時に運転を阻害する要因になる危険性が否めません。

「休憩時間に読むことも想定しつつ、車内に漫画ぐらい持ち込んでもよいのでは」との意見もあるとは思いますが、定められた休憩時間には目を閉じるなどで少しでも休んでほしいと考えています。

ドライバーに対して「そこまで厳しくしなくても」との声も聞こえてきそうですが、事務所内において、上司の目線で部下の机の上や引き出しの中をイメージしながら、仕事の環境と結果の関連性を考えてみましょう。

誰しも個人的に関心や興味があるものは自ら「見る・触る・使う」ことが多くなり、その瞬間の目(行動)や頭(思考)は仕事中であっても仕事以外のことに向けられやすくなります。

例えば、社員が仕事で使うために会社が高額な費用を負担して購入したパソコンのデスクトップ背景に、社員が個人的に応援しているアイドル歌手の写真や、興味があるスポーツチームのロゴマークなどの趣味や趣向が設定されていればいかがでしょう。

その社員の「仕事の量(生産性)」や「仕事の質(正確性)」を問われたり、その状態で失敗が続いたりすれば、仕事への姿勢や社員としてだけでなく社会人としての資質も疑われることになりかねません。

だから仕事に関係がないものは、仕事をする社内(=車内)に持ち込まないように。

また、必要性があり車内に持ち込んだ物は固定しましょう。

もし運転中に物が足元に落ちれば「すぐに拾いたい」との心理が働きます。

  1. ペットボトルが落ちた場合→足元で転がる→アクセルやブレーキに挟まることを懸念
  2. 伝票が落ちた場合→アクセルやブレーキを操作する→踏みつけて靴跡が付くことを懸念

拾おうとすることで脇見運転の状態が発生して、前車の停止や減速などに気付かず、追突事故が発生します。

車内での物の片付け方としては、ダッシュボードや助手席に「置く」のではなく、決めた場所に「入れる」ことを優先しましょう。

ちなみにスマートフォンホルダーは、運転中に着信先を画面で確認しようとする「無自覚の脇見」や、手が届く位置に携帯電話があることで、運転中の携帯電話操作にもつながることから、安全な運送会社ならびに安全を指導する当社ではスマートフォンホルダーの設置自体を推奨していません。

安全を優先する対策としては、携帯電話は運転中に見えない場所に「入れる」として、カバンに入れてファスナーを閉めておくこと。

そうすれば定期的に携帯電話を確認しようとする心理もあり、車両停止で小休止をすることで適度な休憩にもなり、連続運転の抑制はもちろんのこと、居眠り運転による追突事故防止にもつながります。

ありがとうございました。

次回は2月12日(金)更新予定です。

関連するページ・著者紹介

この記事のテーマと関連するページ

運輸事業者向け販売管理システム SMILE V トラックスター

運輸業における日報管理・請求管理から実績管理まで、一連の業務を効率化。業界の慣習に対応し、運輸業の経営管理を強力にバックアップします。マスターや伝票に独自項目を追加して、オリジナル帳票の作成やデータ活用が可能です。

クラウドサービスを利用できるネットワーク型車載ステーション 富士通製 デジタルタコグラフ DTSシリーズ

FOMA網対応の3G通信モジュールを標準搭載し、カードレス運用を実現したデジタルタコグラフ。富士通がお客様と共に培ってきた運行支援ソリューションをクラウド基盤で運用することを可能にし、インターネットにつながるパソコンを用意するだけで初期費用を抑え、短期間で運行情報分析が簡単に行えます。車両の速度や時間・エンジン回転数などの車両情報と運転評価表をもとに乗務員に的確な運転指導が行えます。

この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
公式ブログ:ほぼ毎日更新中!プロデキューブログ
Facebook

お問い合わせ・ご依頼はこちら

詳細についてはこちらからお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ

0120-220-449

受付時間
9:00~17:30(土日祝日および当社休業日を除く)
総合受付窓口
インサイドビジネスセンター

卸販売について

ページID:00201055