ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第168回 社長のおしごと
働き方改革が進む昨今においても社長には勤務時間に関する法律は適用されず、法的な労災保険や失業保険も適用されません。業績を伸ばしている会社の社長は、寝ても覚めても社員の成長とお客様の繁栄のことを考えています。
社長のおしごと
業種を問わず、社長には専門分野における知識・技術・経験のほかに、人柄の魅力もしくは商売の能力に長けた人が多く、事業規模の拡大に応じてその魅力や能力が長けていなければ務まらない職位です。
職場では社長の考え方(経営理念)が管理者の言葉(社内ルール)に含まれます。
管理者の言葉を含む伝え方が、ドライバーの行動(判断基準)に影響を与えます。
各社における現在の社長の考え方は、過去の会社の歴史が大きく関与しています。
社長に就任された理由や背景からも現在の社長の考え方を察することができます。
例えば「創業者と後継者」や「年配の社長と若い社長」や事業規模の違いなど。
社長のタイプはさまざまでありお会いしてお話を聞いてみると、社員が好きな「社員の長である社長」と仕事が好きな「会社の長である社長」とのタイプにも分類できます。
業種を問わず、会社を経営するうえで必ずピンチが訪れます。
そのピンチへの結果は二つしかなく、事業の継続(継承)か廃業(倒産)のどちらかといえます。
ピンチの理由は社内と社外の二つしかなく、その理由が社外であれば、提供するサービスが社会において必要か不要なのかのニーズと、ライバル社に勝つか負けるかの結果によるものといえます。
社内的な要因では、未来への構想に向けた改善が行き詰まり、事業の運転資金がショートし出すと、社長は目先のことにとらわれ過ぎてその場しのぎの「行き当たりばったり経営」に陥りやすい傾向です。
そのような「自転車操業(サイクリングサイクル)」を回避すべく、社長には社員の誰よりも社外を広く知ることによる「先見性」と、社内を正しく知ることによる判断力以上の「決断力」が求められます。
業種を問わず、社員が多い会社で「お金と時間」のロスがあれば、そのロスは社員数に乗じて膨大になるために「1円」「1分」の単位で細かく管理をして、維持をするためにも改善の継続や進化が必要です。
経営には感覚ではなく数字の根拠が重要であり、感情よりも数字を優先すべく、時に社長の独断による非情な采配も見受けられます。
その非情に見える采配にも、人柄が良い社長は「社員を守る」ことを考え、商才に長けた社長は「社員を育てる」ことを目的にしており、頑張っている社員を守る傾向です。
頑張っている社員とは「時間を掛けた努力」以上に「工夫をする能力」を評価する傾向であり、働き方改革を進めるうえで「社長が求めている社員の姿」の一つです。
働き方改革が進む昨今においても社長には勤務時間に関する法律は適用されず、法的な労災保険や失業保険も適用されません。
業種を問わず。
業績を伸ばしている会社の社長は、寝ても覚めても社員の成長とお客様の繁栄のことを考えています。
故に鬼と称される社長ほど、流している涙があります。
社員の成長を喜ぶ涙や、社員の失敗を一緒に悔やむ涙。
お客様からのお褒めの言葉にあふれる涙や、お客様からのご指摘の言葉に汗と一緒ににじむ涙。
ありがとうございました。
次回は3月13日(金)更新予定です。
前の記事を読む
次の記事を読む