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第84回 「さすが!」と言われる仕事
ドライバーは荷主様の代理人として、荷主様のお客様である配送先様へ、ひとりで訪問しています。
ドライバーは運送会社様の代表として、荷主様のお客様である配送先様へ、毎日訪問しています。
競合他社のドライバーと「運賃(=仕事の結果)」だけで比較されるのではなく、「料金(=仕事の過程と結果)」での比較に持ち込みましょう。
誰しもが「同じ商品だったら安い方が良い」と考えることは普通のことです。
同じサービスでは運賃で比較されて、安い方が選ばれることは昔から変わらぬ世の常です。
ドライバーへの信用とドライバーのプライドを、仕事を通じて提供する「仕事の過程と結果」と一緒に高めましょう。
特に仕事の過程を高める方法として、社内研修で知識を深めて技術を高めましょう。
たとえば、配送トラブルをゼロにするために「うっかりミスを防止」する方法。
その対象は商品だけでなく、お客様からお預かりした伝票も同じく。
商品以外にも、お客様の資産であるパレットや備品も商品と同じく。
競合他社がやっていることを、やらなかったらマイナス評価に。
競合他社がやっていないことを、すすんでやればプラス評価に。
誰にでもできる簡単なことであっても、こだわれば価値が生まれて、やり続ければ価値が高まります。
プロドライバーのプライドとは「さすが!」と言われる仕事を提供することです。
しかしながら、時には荷待ち時間の増加や道路渋滞などにより、焦りやイライラの心理状態に陥ることもあるでしょう。
そのような状態になっても「国のルールや社内のルールと自分のルール」を通じて、いつでもいつもの自分に戻せるよう、ひとりで自身の心理状態をコントロールできることも、プロドライバーの要件です。
なぜならドライバーは出発すれば“ひとりの世界”。
だから車内や社外では誰も忠告をしてくれません。
そして、一瞬の判断ミスで事故が起これば、一生を掛けて償う自己の責任が発生します。
品質だけでなく安全においても社内ルールへの取り組みを通じて、競合他社にはない付加価値を提供しましょう。
「誰でも良い仕事」と思われたなら、誰しもが安い方を選びたくなることは否めません。
「運賃や時間を含めて無理を聞いてくれる」からではなく、価値で選ばれて価値で稼げるプロドライバーを目指しましょう。
お客様から「○○運送“で”良い」ではなく、「○○運送“が”良い」と言われるために。
競合他社との違いとは“で”と“が”の違い。
その違い“で”収受料金“が”変わりますように。
ありがとうございました。
次回は10月28日(金)更新予定です。
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