第20回 運賃分析システムを構築し、配送費の最適化を実現する

現在使用している運送会社を変更することで、運賃が下がるかどうかの検証をする必要があります。運送会社からの請求書を基に1件ずつ比較をすると時間がかかるため、運賃分析システムを構築すれば非常に有効です。

運賃分析システムを構築し、配送費の最適化を実現する

1. 配送運賃検証の必要性

企業は複数の運送会社を使用している場合が多いと思いますが、お客様の納品場所・運送会社によって商品の到着時間が違い、また配送運賃差もあります。

配送担当者の過去の経験則で運送会社を決定し、長期間変更していない企業が多いのではないでしょうか。

なぜならば、運送会社を変更すると納品時間などが変わり、お客様からクレームが発生する可能性があるからです。
配送運賃削減よりも物流クレーム重視の傾向です。

しかし、企業としては、運賃削減の可能性を検証する必要があります。

運送会社からの請求書と、他の運送会社の見積書を1件ずつ比較して検証をする方法もありますが、時間がかかります。

そこで有効になってくるのが、運賃分析システムです。
運送会社からの見積書を基に運賃計算式を登録し、自動計算をする仕組みです。

運送会社の見積り条件をそのまま設定すると、才数(または重量)や距離での計算になるため、得意先マスターに距離の登録(もしくは市区町村コードの登録)や箱サイズの登録(または重量)などが必要になり、非常に面倒になります。

運送会社と交渉して、できるだけ計算をしやすい方法(例えば、県単位、個数単位、タリフの簡易版のイメージ)で見積りをもらうことをお勧めします(運送会社との力関係により交渉ができないこともあります)。

2. 運賃比較のデータ整備

送り状発行をするときに、物量情報(才数、重量、箱サイズ、個口数など)を入力して出荷データを作成します。
得意先マスターの得意先名、住所(都道府県など)項目も連携できるため、運賃計算に必要なデータが全て揃います。
(例:日付、運送便名、送り状No.、得意先名、都道府県、才数もしくは重量、箱サイズ別個口数、運賃)

このデータで、得意先別、都道府県別、運送会社別、個口数別の運賃実績表を作成することができます。
売り上げが大きい得意先から検証し、運送会社を変更した場合に運賃が下がりそうであれば、物流サービス、出荷完了時間を議論し、運送会社の見直しをかけていきます。

物流サービスが心配な場合は、事前にお客様に問い合わせを行い、納品時間に問題が無い運送会社を確認しておけばクレームが発生する心配は少なくなります。

次回は12月12日(火)の更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンに分かりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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