第18回 送り状発行システムを見直し業務を効率化

運送会社を複数使用している企業が多いため、送り状発行運用に工夫が必要です。集荷の早い運送会社順のピッキング、送り状の発行タイミング、自動梱包数計算等、システムを活用すれば効率化が図れます。

送り状発行システムを見直し業務を効率化

1. 従来の送り状発行業務

配送手段として自社コース便を使用する企業もありますが、佐川急便、ヤマト運輸、西濃運輸、福山通運等の運送会社を活用する企業の方が多いかと思います。

これらの運送会社を活用するには、専用の送り状が必要になります。

その送り状発行方法として、運送会社の端末を使用する方法もありますが、運送会社ごとに端末台数が増加してしまいます。
操作方法が変わるのも問題です。

運送会社を1社にすれば端末の設置場所と操作の問題はなくなりますが、運送会社により方面や時間帯別に得意不得意があるため、分散させている企業が圧倒的に多いのが実情ではないでしょうか。
また、得意先様の方面で、ある程度運送会社を特定されているのではないでしょうか。

運送会社により集荷時間が変わりますので、運送会社の集荷時間にあわせて優先順位付けを行い、ピッキングする運用になります。
基幹システムの得意先マスターに、主要運送会社を登録し、納品書(もしくはピッキングリスト)に運送会社名を印字します。
こうすることで、人の目で優先順位が判断できます。

集品、梱包後に個口数が確定し、送り状を発行する運用が多いと思います。

送り状を事前発行する運用も考えられます。
運送会社別にまとめて発行することにより送り状発行時間の短縮できます。
しかし、梱包前に個口数が確定できていないため、送り状の追加発行が必要になります。

2. 送り状発行業務を見直し効率化を図る

最近では、複数の運送会社の専用送り状を1台のパソコンで発行するシステムがあります。
これを活用すれば、専用の端末に場所を取られることがなくなります。
また、操作方法も統一され、間違いが少なくなります。

優先順位のピッキングに関しては、専用の倉庫管理システムを導入すれば、運送会社ごとのピッキングリストや、優先順位を考慮した作業が実現できるようにもなります。

最近では受注データから梱包数計算を行い、事前に箱サイズや個口数を算出する企業も増えています。
梱包に馴れていないパートであっても、箱の選択がすぐにでき、梱包時間が短縮、送り状も事前に過不足なく用意でき、貼り間違いもなくなります。
しかし、このシステムは自社段ボール箱の利用が前提になりますので、段ボール箱を再利用している企業は、包装資材費の増加と物流人件費の削減のバランスを考える必要があります。

ハンディターミナルを利用した検品システムを導入している企業では、最終検品終了後、梱包、梱包数をハンディターミナルに入力すれば、送り状が発行され、過不足・貼り間違いなく作業が完了します。

さらに送り状レスシステムを導入し、ラベルプリンターで送り状発行をしている企業も増加傾向にあります。

梱包から、送り状発行までに何らかの課題をお持ちの企業様は、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。

次回は11月14日(火)の更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンに分かりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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