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第14回 作業進捗管理と物流メンバーの多能工化により作業人員の適正配置を行う
ハンディシステムのデータを活用することで、物流作業の進捗がタイムリーに把握でき、問題点への早期対処が可能となります。物流メンバーの多能工化ができれば相乗効果が発揮されます。
作業進捗管理と物流メンバーの多能工化により作業人員の適正配置を行う
1. 作業進捗管理
ハンディシステムを導入した場合、「ピッキング完了」や「梱包完了」の時間が記録されるため、物流作業の進捗状況が把握できます。
下図は、バッチごとの受注数に対してのピッキング完了数の進捗を確認する画面です。
バッチにはいろいろなパターンがありますが、運送会社ごとにバッチを分けることが多いかと思います。集荷時間の早い運送会社の順にバッチが表示され、予定時間に終了できそうか把握できます。
運送会社別バッチ以外には、主要得意先別バッチ、フロア別(ブロック別)バッチがあります。
この画面を管理者が見て、遅れているバッチの原因を迅速に把握し、対策を立てて指示を行います。例えば、当日入荷当日出荷の入荷処理が遅れているのであれば、入荷に人員を追加投入します。伝票を紛失したのが原因であれば、伝票の再発行をしなければ出荷作業を開始することができません。
図のバッチ例は、ピッキング完了データしかありませんが、もっといろいろなフェーズのデータを記録すれば物流管理レベルをさらに上げることが可能となります。
「取り寄せ品(在庫をもたない受発注品)入荷完了データ」や「最終梱包完了データ」「運送会社荷渡し完了データ」等がそれにあたります。フェーズごとにデータが揃えば、どこの作業に問題があるか可視化できます。さらに今後、各フェーズの終了時間を毎日記録することで、物流スピードがアップしているかのチェックもできます。仮に作業遅い日があれば、何が原因かを追究することができます。
2. 物流メンバーの多能工化
ボトルネックになっている作業を迅速に把握し、人を追加投入することの前提として、物流メンバーの多能工化があります。あるパートの方が一つの作業しかできなければ、ボトルネック作業に追加投入できないからです。
物流管理者は、各作業のローテーションを行って多能工化を進める必要があります。限定作業しかまかせられないパートの方もいますので、いかに能力を見極めて評価制度に結び付けていくかが重要になります。
次回は9月12日(火)の更新予定です。