第16回 在庫配置の見直しを図ることによりピッキング効率を上げる

基幹システムの出荷データを分析し、出荷件数の多い商品の置き場所に問題がないかを検証します。よく出る商品をゴールデンエリアに配置することにより、ピッキング効率が上がります。

在庫配置の見直しを図ることによりピッキング効率を上げる

1. 出荷データの分析

ピッキング時間は、入出荷業務の25%前後を占めます。その中でも歩く時間が、半分以上を占めます。

そのため、商品の在庫配置が悪ければ、ピッキング効率が悪くなります。
ピッキング効率を上げる第一歩として、在庫配置が正しいかどうかを検証しましょう。

まず、基幹システムから月間出荷データ(直送は除く)をExcelに抽出します。

商品ごとに月間出荷件数(=納品書の行数<出荷数量ではないのでご注意ください>)の多い順に並び替えます。

項目としては、商品分類・商品コード・商品名・ロケーションNo.(棚番)は必要です。

件数項目として、「月間出荷数(ケース換算)」を求めてください。
バラ出荷をした時もケース入り数で換算し求めると、物量を掴みやすくなります。

また、可能であればバラ出荷件数とケース出荷件数も分けてデータを取ってください。
バラ出荷が多い商品、ケース出荷が多い商品、バラ出荷とケース出荷ともに多い商品では在庫の置き方が変わります。

他に、単品で全体の出荷件数の何%を占めるか(比率=単品出荷件数÷月間出荷件数)を計算式設定し、上位何アイテムで出荷の何%を占めるかを把握します。(累計比率)

2. 在庫配置の見直し

出荷件数が多いアイテムから、ピッキングしやすい場所に商品を置いているかを確認します。
(例:梱包場所<出荷場所>に近いか、取りやすい高さに置いているか等)

上表のロケーションNo.例の「H-01-01-05」は、Hゾーン01番目の棚、上から1段目、左から5番目に商品を置いているという設定です。(企業によって設定は異なる場合もあります)
もし、Hゾーンが梱包場所から遠いのであれば、近い場所に移動させると効率が上がります。

この置き場所を1~3カ月ごとに見直しをかけます。
ゴールデンエリア(よく出荷する商品の置き場所)の商品を順次入れ替えることにより、ピッキング動線(歩く距離)を短く維持できます。
なお、ゴールデンエリアのアイテム数は倉庫レイアウトにより異なりますが、上位50アイテムを基準に考えればよいと思います。

商品ごとの管理が定着すれば、もう少しレベルを上げ、「商品分類ごとの出荷件数」、「ゾーンごとの出荷件数」、「棚ごとの出荷件数」、「段ごとの出荷件数」の分析をし、商品の入れ替えをするとさらにピッキング効率を向上させることができます。

次回は10月10日(火)の更新予定です。

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この記事の著者

有限会社SANTA物流コンサルティング 代表取締役社長 / 物流改革コンサルタント Dr.SANTA

平野 太三

昭和38年兵庫県芦屋市にて出生。昭和61年甲南大学法学部卒業。同年某システム会社入社後、物流システム担当営業として、100社を超える物流現場分析に携わる。平成15年に、有限会社SANTA物流コンサルティングを設立。「物流コンサルティング」「講演、研修」「執筆」を開始する。講演参加者数ものべ10,000人を超え、物流マンに分かりやすい具体的な改善手法の提言を行う。
主な執筆:「3カ月で効果が見え始める物流改善」(プロスパー企画)。
物流技術管理士、日本物流学会正会員、ロジスティクスアライアンス委員
有限会社SANTA物流コンサルティング

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