第66回 「多くの顧客に実績がある」のアピールは意味がない

商品説明や提案のシーンで実績をアピール。しかし、聞き流される、重視してもらえない……。営業現場では、実績そのものを理解させようとしている人が多く見受けられます。しかし、実績とは何かを理解させるための補足情報です。今回は、本当にアピールしたいこと、顧客にとって重要なことを理解させることで実績を生かす方法についてご紹介します。

「多くの顧客に実績がある」のアピールは意味がない

商品説明や提案で実績をアピール。しかし、聞き流される、重視してもらえない……。
実績を重視してもらえたら競合に勝てるのに……。

今回は実績をアピールする方法についてお話しします。

営業担当Aさんが上司Bさんと〇〇社に対するタブレットの提案書について打ち合わせをしていたときのことです。

Aさんの提案書を見ると……
1枚目に、提案の背景として、顧客の課題や要望
2枚目に、提案のコンセプト
3枚目以降に、提案の詳細
そして最後の方に、タブレットに関する大手顧客への導入実績を一覧でまとめてありました。

<当社導入実績>
大手食品メーカー△△社
(用途)全社のコミュニケーション活性化、(導入)1000台
大手自動車メーカー□□社
(用途)営業社員の業務効率化、(導入)500台
大手総合商社◇◇社
(用途)海外拠点および出張時の連携力強化、(導入)300台
……
他、多数

上司Bさん
「この実績のページで何をアピールしたいの?」

Aさん
「大手顧客への導入実績が多いということです」

Bさん
「それは見れば分かる。
大手顧客への導入実績が多いことを説明して何をアピールしたいの?」

Aさん
「競合よりうちの実績が多いので、競合と比較し商品の信用性をアピールしたいと思っています」

Bさん
「なるほど、この提案でいこう!」

翌週に提案し、その1カ月後に返事がきました。

Aさん
「今回は、競合の方を選んだそうです」

Bさん
「なんで? 実績はうちの方が多いのに」

Aさん
「先方の社内で検討したようなのですが、実績を重視しなかったようです」

Bさん
「そっか……、しょうがないな」

一般的に実績が少ないよりは多い方がよいでしょう。
なぜ、Aさんの提案では「実績を重視されなかった」のでしょうか?

答え……顧客に「実績を重視されなかった」のではなく、Aさんが「重視させなかった」から。

Aさんの提案では実績をまとめてありましたが、実績を重視させるための情報が欠けていたのです。
「実績が重要な理由」=「実績で本当にアピールしたいこと」が欠けていました。そのため、伝わらずに重視されなかったのです。

では、「実績が重要な理由」=「実績で本当にアピールしたいこと」とは何か?

この「実績が重要な理由」=「実績で本当にアピールしたいこと」は二つあります。

「顧客にとって実績が重要な理由」
「自分が実績で本当にアピールしたいこと」

顧客の〇〇社にとって「大手顧客への導入実績が多い」という事実自体に価値はありません。
「大手顧客への導入実績が多い」という事実から考えられる何かに価値があるのです。

  • 商品や会社の信用性
  • さまざまな経験から蓄積している多様なノウハウ
  • さまざまな顧客との取引に対応できる柔軟性
  • ……

ということはこれらの何かが「自分が実績で本当にアピールしたいこと」であるはずです。
例えば、「大顧客への導入実績が多いので、壊れにくい、壊れたときに海外でもすぐに対応できるという信用性」。

そしてこの信用性が重要な理由が「顧客にとって実績が重要な理由」です。
例えば、「海外事業を強化していて、商品開発部が海外出張しながらの販売店に対し支障なく指導しなければならない。そのため指導に必要となるタブレットが壊れにくい、壊れてもすぐに対応できること」。

ということは、Aさんは実績だけ説明するのではなく、
「〇〇社は海外事業を強化していて、商品開発が海外出張しながらの販売店に対し支障なく指導しなければならない。そのため指導に必要となるタブレットが壊れにくい、壊れてもすぐに対応できることが重要」
そして、「大顧客への導入実績が多いので、壊れにくい、壊れたときに海外でもすぐに対応できる」
と説明する必要があったのです。

さまざまな会社で提案書を見ていると、実績で本当にアピールしたいことが漠然としていて、ただ実績をまとめてあるだけの提案書が多く見受けられます。
また、商品説明のシーンでも実績が多いことばかり説明している営業担当者が多く見受けられます。
これらのほとんどは、実績そのものを理解させようとしているのです。

しかし、実績は、何かを理解させるための補足の情報です。
信用性やノウハウ、柔軟性など本当に理解させたい何かがなく、補足の情報である実績だけを説明しても意味がありません。

実績は「顧客にとって実績が重要な理由」と「自分が実績で本当にアピールしたいこと」を説明することで生きてくるのです。

実績を生かすためには、
「自分が実績で本当にアピールしたいこと」とは何なのか?
そして、「顧客にとって実績が重要な理由」とは何なのか?
を突き詰めて考えてください。

皆さんの提案書に「自分が実績で本当にアピールしたいこと」と「顧客にとって実績が重要な理由」は入っていますか?

実績をアピールする方法は……
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次回は11月19日(月)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
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