第65回 提案前のネガティブファクターがクロージングを強化する

「価格が高い」「予算がとれない」「決裁者が反対している」と言われてから対応しようとする……結果、失注。状況が変わり失注する……よくあることです。受注を獲得するためには、状況が変わってから対応するのでなく、事前に問題になりそうなことを把握し手を打つことが必要です。今回は、事前に問題になりそうなことを把握しクロージング力を強化する方法についてご紹介します。

提案前のネガティブファクターがクロージングを強化する

営業をしていると受注できると思っていた案件の状況が変わり失注……よくあることです。

「価格が高い」「予算がとれない」「決裁者が反対している」「競合の方が評価が高い」と言われてから何とかしようとしても結局失注……。

ノートPCの営業担当Aさんが失注した時のことです。

自動車メーカー○○社から問い合わせが入り訪問しました。
○○社の営業部長との商談から戻ってきて上司Bさんと打ち合わせ……。

上司Bさん
「受注の可能性はどう?」

営業担当Aさん
「予算は、既に100万円とってあると言っているので大丈夫だと思います」
「それに、社長からの指示で検討しているようで、商談相手も営業部長なので決裁者の説得も問題ないと思います」

Bさん
「競合は?」

Aさん
「1社から提案を受けたみたいですけど、価格が高いようなので勝てそうです」

Bさん
「そもそも、なんでノートPCを購入しようとしているの?」

Aさん
「働き方改革の一環で残業削減を進めているみたいなのですが、営業は外出が多くて、帰社してからの事務処理で残業が減らせないみたいで……」
「それで、営業社員に配布して外出中に事務処理を終えられるようにしたいということで検討しているようです」

Bさん
「なるほど……、それなら検討している理由も明確で、決裁者の社長も予算もOKで、競合にも勝てそうだし、この案件は受注できそうだな」

後日、提案した後で上司Bさんに……。

Aさん
「今、提案してきたんですけれど、受注できると思います」

Bさん
「お客さんの反応は良かったの?」

Aさん
「営業部長が『これなら予算も問題ないし大丈夫だと思う。社長と営業マネージャーと検討して進めるよ』と言っていました」

Bさん
「いつごろ決定するの?」

Aさん
「2週間ぐらいで決められると言っていました」

そして、1カ月が経ち返事が来ないので電話したところ……。

顧客の○○社営業部長
「実は経営企画部から、商品企画部や人事部も出張が多いので他の部署も含めて全社で検討しないといけないと言われてしまって」
「働き方改革を担当している経営企画部が検討することになって……」

Aさん
「そうなんですか、そうしましたら経営企画部の方をご紹介いただけませんか?」

○○社営業部長
「今、経営企画部が予算も含めて検討しているので、少し待ってもらえますか?」

そして、1カ月後……

○○社営業部長
「今期は予算をとっていないので来期に検討することになりました」

上司Bさんにそのことを報告したところ……

Bさん
「状況が変わっちゃったからしょうがないな。来期に受注できるようにフォローするように」

なぜ、失注してしまったのでしょうか?
本当にしょうがないのでしょうか?

はじめの訪問の時に気づかなかった「全社で検討」「経営企画部が検討することになった」と状況が変わってしまった。
状況が変わった後で「経営企画部の方をご紹介いただけませんか?」と対応しようとしましたが、受け入れてもらえなかった。
その結果「今期は予算をとっていない」と失注。

だから「はじめに経営企画部のことまでは気づかないし、しょうがない」「紹介をもらおうとしたけど受け入れてもらえなかったからしょうがない」で終わってしまう。

なぜ、Aさんははじめの訪問の後に「全社で検討」「経営企画部が検討」という可能性について考えなかったのでしょうか?
実は、Aさんの失注の原因は、はじめの訪問後のチェック方法にあるのです。

Aさんは、上司Bさんと一緒に決裁者や予算、競合などの状況を把握しようとチェックしています。その結果「決裁者は大丈夫」と良い情報を把握して終わっています。
しかし、問題点を探そうという視点になっていません。

もし、AさんとBさんが、はじめの訪問後に「決裁者はどうか?」と状況を把握しようとするのではなく、「決裁者や関係者で反対したり、横やりを入れたりしそうな人はいないか?」と問題になりそうなことを探していたら「働き方改革を担当している経営企画部から横やりが入る」可能性に気づいたかもしれません。

つまり、Aさんが失注した原因は、状況を把握しようとしていますが、問題になりそうなことを探そうという視点になっていないことです。

営業は、受注を獲得したいという思い、会社や上司に良い報告をしたいという気持ちから「都合の良い情報ばかり見ている」「受注の可能性を判断するためにチェックしている」のどちらかになりがちです。

受注率を上げるためには、クロージング力を強化するためには、はじめにネガティブファクターを洗い出しましょう。
より多くのネガティブファクターを見つけることがクロージング力強化の第一歩です。

多くの営業現場を見ていると「経営企画部が検討することになった」と言われてから対応しようとしているケースが多く見受けられます。
しかし、決まってから何とかしようとしても遅いのです。

クロージング力を強化する方法は……
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次回は10月15日(火)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
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