第30回 顧客視点の体制とは【1】…営業と技術の連携

技術的な知識やスキルを持った人は営業以外にいる・・・
顧客を理解できるのは営業しかいない・・・

研修やセミナーで受講者から下記の質問をよく受けます。

「商談や提案から受注、生産・構築・納品のプロセスの中で営業社員と技術社員の連携をどうすべきか?」
「営業社員はそのプロセスの中でどこまでやるべきなのか?」
「受注までのプロセスで技術社員がなかなか入ってくれないのですが?」

この営業と技術の連携というテーマで悩んでいる方は多いのでは・・・

多くの企業の体制を見ていると自社の視点中心に体制を組み立てています。
・「受注・契約をとるまでは営業、設計・生産・受注後は技術」
・「営業社員は商品を売る仕事」
・・・・
という先入観。

自社の視点(商品を売るという視点)とは、商品やサービスを提案し、受注し、納品するという活動に対し、自社のプロセスをいかに効率的に実施するかという視点。

では、顧客が商品を買うという視点(顧客視点)で考えてみましょう。
顧客は・・・
【1】戦略や計画を考え、【2】事業や業務の状況を考え、【3】内在する事業や業務の課題を考え、【4】その課題の問題点を考え、【5】解決策を理解し、【6】解決策となる商品やサービスを選択し、【7】商品やサービスを購入し、導入・活用する・・・

当社でタブレット端末を購入したのですが、
購入に至ったプロセス(考えたプロセス)は下記のとおりです。
【1】大手企業との取引を拡大していく
【2】全国での研修が増える、研修では事例をスクリーンに映し講義
【3】PCが壊れたら講義できない、研修は急な延期や中止ができない
【4】PCが壊れるかもしれない、壊れても対応できる環境が必要なのでは
【5】サブの端末を持って出張すれば対応できる
【6】全国出張で使うサブ端末はどのようなものが良いか?
【7】・・・そしてサブ端末としてタブレットを購入

では、商品やサービスを提案し、受注し、納品するという活動を顧客視点で見ると下記の通りになります。

【1】戦略や計画を把握、理解し
【2】事業や業務を把握、理解し
【3】内在する事業や業務の課題を発掘し理解し
【4】課題を解消するための問題点を考え、理解させ
【5】その問題点に対する解決策を理解させ
【6】解決策に対する自社商品の優位性を理解させ、選択させ
【7】構築や生産し納品する

このプロセスは大別すると三つに分かれます。
【1】~【3】は顧客の戦略や計画、事業、業務に関すること
【5】~【7】は商品や技術的なこと
【4】は両方

当社の例では・・・
【1】~【3】は営業支援会社の戦略や計画、事業、業務に関すること
【5】~【6】はタブレット端末(IT)に関すること
【4】は両方

この二つは全く異なる知識と視点が必要であり、またプロセスを実施するために必要なスキルも異なります。

受注の獲得に対して、
顧客が商品を買う各プロセスに対して会社として何をすべきなのか・・・
その各プロセスに対し
営業社員の保有する(すべき)知識・視点・スキル
技術社員の保有する知識・視点・スキル
を考慮し、体制や連携を組み立てる・・・

すると
・営業社員と技術社員が顧客から受注を獲得するというプロセスに対して、
それぞれが何をすれば良いのか?
・営業社員と技術社員がどのように連携すべきなのか?
・そして、双方がどのような知識・視点・スキルを身につけるべきか?
が明確になってきます。

顧客の課題や商品機能が単純で、どの顧客にも画一的に商品を提供できるなら上記【1】~【7】を営業社員が担うことができるでしょう。
しかし、今日では顧客の要望に合わせ個別的な対応が求められ、また提供する商品の技術や機能が高度かつ複雑になっています。

その多種多様な顧客の要望と高度かつ複雑な技術や機能の双方を抑えながら
「商品を売る=顧客が商品を買う」という活動を実現するのであれば、
「顧客の戦略や計画、事業、業務」に対応する力と
「高度かつ複雑な商品や技術」に対する専門性の双方が必要であり、
その双方を高めながら対応できる体制が必要なのではないでしょうか?

多くの営業組織を見てきて、ミッションや連携が漠然としている
また、体制を自社の視点(商品を売る)中心に考えている
ケースが多く見受けられます。

営業社員が顧客の戦略や計画、事業、業務を理解し課題を発掘できれば技術的な検討や対応をできる人は営業社員以外にいるのです。

売上を上げるのであれば、
営業社員が顧客の戦略や計画、事業、業務に関する知識・視点・スキルを強化できる体制が必要であり、そして、商品・技術の知識・視点・スキルを補完できる連携が必要です。

「顧客が商品を買う」という視点で体制を見直してみてはいかがでしょうか?

次回は6月4日(水)の更新予定です。

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