第17回 営業マネジメント…なぜ、SFA(営業管理システム)は使われない?

ある会社の営業責任者の方が言っていました
「うちの営業社員は、全然SFAを使わない。うちは営業社員が200名いるから、年間で2千万円以上も使っているんだ。導入して3年だから、6千万円以上も投資しているのに・・・」

6千万円以上も投資しているシステムを使っていない・・・
売り上げの集計などに使っていたとしても費用対効果はいかがなものか・・・
今年もこの状況で2千万円以上の費用を計上している・・・
経費に対してシビアになっている中でこの状況・・・

あくまでも私が関わってきた中での感覚値ですが、
程度の差はあれこのような企業が8割以上です。

皆さんの会社はいかがでしょうか?

~ SFAの促進方法を間違えている ~
「入力してください」「使いやすい、入力しやすいようシステム改善」では使わない

私がコンサルティングしている会社からの相談事項で「どうしたらSFAを使わせることができるか?」「SFAの有効活用」
に関する内容が実に多い。

話を聞いてみると・・・

  1. 数値や進捗を管理し状況の把握と対策を立てるため
  2. 商談や顧客、案件情報を上司と部下で共有し相談・アドバイスできる環境を作り
    営業成果を上げるため
  3. 商談や顧客、案件情報を営業社員どうしで共有し、営業レベルを向上させるため
  4. 顧客情報を蓄積しマーケティングにいかすため

このような目的で導入している企業が多く、そしてそれを営業社員に説明もしています。

これに対し営業社員も・・・

  • 営業成果を上げたいと思っている
  • 他の営業社員の商談や顧客・案件の情報も必要だと思っている
  • 上司に相談すること、上司からのアドバイスも必要だと思っている

しかし、なかなか使われない・・・
なぜ?

もともと営業は個人主義、経験主義で育ってきています。
そのため、体系的に情報を活用する営業に慣れていないし、知らない。
つまり、「商談や顧客、案件の情報を共有しよう」と指導されても、

  • 商談や顧客、案件のどのような情報を?
  • その収集・共有した情報を商談や提案でどのように活用するのか?
  • その収集・共有した情報をどのようにチェックしアドバイスするのか?
  • そして収集・共有を有効活用することでどのような効果があるのか?

ということを理解させないままSFAを使わせようとしているのです。

目的やメリット、営業活動での使い方(共有した情報を使った商談や提案のやり方)を教えずに、営業管理システムの使い方を教え、「入力してください」といった指導をし、使いやすい、入力しやすいようシステム改善・・・しているのです。

~ どうしたらSFAを促進できるか? ~
情報を使った営業の教育から始める

今、申し上げましたように営業社員がSFAに入力しない・使わない本質的な理由は、必要性や有効性を理解していないからです。

営業情報の共有が重要だと説明して、営業社員は漠然とは理解している。
しかし、どのような情報をどのように活用するのか、そしてどういう効果があるかをきちんと理解していない・・・
これを理解しなければ、「言われたからしょうがない」といって入力するだけです。

個人主義・経験主義で育ってきた営業に、これを理解させるためには

  1. 情報を活用した営業とはどのようなものか
  2. 情報を活用した営業のやり方とその情報の収集・活用方法
  3. そのやり方に合わせたSFAの整備

この3段階が必要です。

これは、

  • 営業組織として、どのような営業をすべきなのか?
  • その営業の体系的なやり方とはどのようなものか?
  • そしてその営業のやり方を実現するためにはどのような情報が必要なのか?
  • さらに、その情報をどうやって収集し管理、活用するのか?

を考え、教えることです。

そもそも、
システムとは標準化し体系化を進め効率化や精度を向上させるものである。
その前提である個々の考え方ややり方が個々バラバラで属人性に依存し、その根源となる情報の活用方法がないままで、システムの利用を促進できるのでしょうか?

≪補足≫
~ 日報・週報における「トピックス」の罪 ~

日報・週報において「トピックス」という項目で雑多な情報を記載しているケースが多く見受けられます。
管理・検証すべき情報をきちんと項目立てて記載してあり、そのうえで「備考、その他」という意味合いで活用している場合ならよいのですが、この「トピックス」という項目では適正な情報の活用はできません。
情報が、個人個人でバラバラ、日によって顧客によってバラバラ・・・
バラバラな情報を集計しても、参考情報にはなるかもしれませんが、検証し対策を立てることはできません。
情報を報告し、共有したつもりにはなりますが、活用できなければ意味がありません。

次回は5月8日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

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