第18回 営業の練習って? …プロ野球選手と営業社員の練習の違い

今まで営業の手法や理論についてお話ししてきましたが、このあたりで少しブレイクして、私が日々疑問に思っていることをお話ししましょう。

それは、営業における「試合」と「練習」・・・

営業はスキルによって成果の差が出る仕事
・・・これは皆さんもそう思うでしょう。
ということはスキルが上がれば、成果である売上も上がる。
その営業のスキルアップはどうしているでしょうか?

話は変わりますが、
プロ野球選手の練習と試合の時間は平均すると下記のとおりです。
練習は体づくり(準備)も含めて約4~5時間、そのほかにミーティングなど試合は約3時間(延長も多いのですが・・・)

つまり、ミーティングを除いて4~5時間ぐらい練習や準備をして、3時間の試合に臨んでいるのです。
これが毎日・・・

営業の試合とは?
顧客と実際に対峙(たいじ)する商談の場面です。
営業の練習とは?
その商談がどうしたらうまくいくかを考え準備をすること、そして準備したことが試合である商談できちんと実践できるようにロールプレイングなどで訓練すること。

そして、プロ野球選手の最終目標とは、その一戦一戦の試合に勝ち、144試合の積み上げにより優勝すること。

営業の最終目標とは
一回一回の商談に勝ち(案件や受注獲得)、その積み上げにより売上目標を達成すること。

そしてその一回一回の商談の勝ち負けはプロ野球選手と同じく個々のスキルに依存する部分が大きい。
とすると一回一回の商談に勝てるスキルを身につけることが営業成果を左右するのです。

しかし、実態はどうでしょうか?
つまり、商談に勝てる(うまくいく)方法をどれだけ準備しているか?
そして商談で実践できるよう訓練しているか?

ある営業社員が商談から帰ってきて言いました。
「頑張ったのですが、この顧客は無理でした」

果たして何を頑張ったのでしょうか?

私は聞いてみました・・・「なんで?」
営業社員は
「一生懸命説明したのですが、あまり興味がなかったようです」
「ニーズがなかったようです」

私はさらに突っ込んでみました。
「商談に行く前に、周囲の人に聞くとか、類似顧客の情報を収集した?」
「どうしたらニーズを発掘できるか、材料を準備しシナリオを考えた?」
「実際の顧客の前で実践できるよう誰かにロープレをしてもらったりした?」

営業社員は
「Aさんには聞いてから行ったのですが・・・」

彼は実際の試合のときに頑張っただけであり、練習はたいして頑張らずに試合に臨んでいたのです。

つまり、売上目標を達成するために、大切な「一回の商談(試合)」に対して勝つ練習や準備をせずに臨んでいたのです。

たしかに、営業はプロ野球とは勝率が異なります。
そのため、試合数である商談数を増やすことも重要です。
しかし、今の営業は一回一回勝つことをおざなりにして試合数ばかりを増やそうとしている。

ただ、下手な鉄砲は数を撃っても当たらないのです。

一回一回勝つことにこだわらずに、商談数ばかり増やしていては最終目標である売上目標の達成は実現できない。
プロ野球選手も選手個々のスキル、チームのスキルが上がらなければいくら試合をやっても勝てないのと同じです。

たしかに、試合もよい練習になるとは言いますが、一回の試合(商談)に勝つことにこだわり準備や練習をして、そして試合に臨む
・・・この繰り返しが営業のスキルアップを実現するのです。

そのスキルアップが一回の商談に勝つことを実現し、最終目標である売上目標の達成を実現するのです。

さまざまな企業の営業を見てきて、その一回の試合に勝つための大切な準備や練習があまりにも少ない気がします。

皆さんの会社ではどれだけ練習・準備をして試合に臨んでいますか?

次回は6月5日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

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