第86回 「働きがいのある会社」を今、あらためて考える

GPTWで上位にランクされている会社の従業員の多くは、働きがいを感じ、やりがいを持って仕事に取り組んでいるからこそ、顧客に対しても「幸せ」を提供したいという思考になっているように思います。あらためて、「顧客の成功」に貢献したい・喜びを感じる社員を育てるには、どうすれば良いのか?を考えてみてはいかがでしょうか……。

「働きがいのある会社」を今、あらためて考える

皆さん、こんにちは!
今冬は地域による寒暖差だけでなく、同じ地域でも日による気温の差が大きく、体調コントロールが難しいような気がします。

最近は「従業員満足」という言葉もすっかり定着し、弊社が行っている「経営支援サービス」の主要メニューの一つである「企業診断サービス」を希望されるお客様の多くが「自社の人事制度や評価制度を含めた、組織・人材側面の診断を重点的に……」と仰るケースが目立っているように思います。

企業診断サービス (https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/keiei-shien/service/basic/

ということで、今回はGreat Place To Work (R) Institute Japan(GPTWジャパン)から、2月8日に発表された「2019年版 日本における『働きがいのある会社』ランキング」に基づいて、「働きがい」に関して、今一度、考えてみたいと思います。

2019年版 日本における『働きがいのある会社』ランキング(https://hatarakigai.info/news/2019/0208_158.html

GPTWジャパン(Great Place To Work)

今からさかのぼること35年も前の1984年に、アメリカで「働きがい」に関する研究成果が紹介され、1998年に『FORTUNE』誌において優良企業が発表されたことに端を発している歴史ある調査機関です。

日本では2005年から活動が始まり、2007年に初めて『日経ビジネス』で国内企業における「働きがいのある会社」ランキングが発表されました。

その後、毎年2月にランキングが発表され、『日経ビジネス』で該当企業の紹介記事等が掲載されていますので、目にしたことのある方も多いのではないかと思います。

GPTWが定義する「働きがい」の要素

GPTWでは「働きがいのある会社」のモデルとして以下の五つの要素で構成されています。

-マネジメントに対する「信頼」   
 「信頼」:さらに「信用」「尊敬」「公正」に細分化される 
-会社や仕事に対する「誇り」 
-働く仲間との「連帯感」

出典:従業員からみた「働きがいのある会社」モデル

何となく、合点のいく要素のように感じられるのではないでしょうか。

もう一つ、GPTWが、「働きがい」に世間の注目を集めさせたインパクトとして挙げられるのが、「働きがいのある会社は業績が良くなるのか?」の問いに答えたことがあるように思います。

「働き方改革」で業績は向上するのか?~”働きやすさ”、”やりがい”と業績の関係~

経営者の中には「従業員の働きやすさなんかを追いかけていたら、甘えるだけで、業績に悪影響を及ぼしてしまう」といったお考えやご意見を持たれている方が、今もまだ少なからずおられるように思います。

そうした意見に対して、キチンとデータでその正当性を明示したのがGPTWだったのではないかと思います。

もちろん、そうしたお考えの経営者も、今は、随分と減ってきているように思いますが、いざご自身の会社で取り組もうと思った途端に、他の経営幹部から、こうした意見が出てきてしまい、推進の阻害要因になってしまうようなケースがあるように感じています。

こうした考えは、なぜなくならないのか?

その昔、チャールズ・チャップリンが主演・監督を務めた『モダンタイムズ』という映画がありました。この映画のストーリーは以下のようなものです。

製鉄工場で働くチャーリーは、ベルトコンベヤーを流れる部品に、ひたすらねじを回し続ける単純作業を繰り返していた。その様子はテレビモニターで監視され、休む暇も与えられない状況。さらに、労働者の食事時間を節約する自動給食マシーンの実験台にされたりもする。次第にチャーリーはおかしくなり、歯車に巻き込まれたり、工員や社長の顔に油をかけたりし、工場で騒動を起こしてしまう。

つまり「労働者の個人の尊厳が失われ、機械の一部分のようになっている世の中を風刺」した映画といえます。

この映画に出てくる仕事に対する管理観は
(1)「人は怠けるから、成果をだすためにプレッシャーを与えて緊張感を持たせる必要がある」という管理観
(2)「“働く”ことは“苦役”」だという管理観
(3)「従業員は、上司の言うとおりにしなければならない」という管理観

といったものではないでしょうか。

これは、1930年代の管理観であり、今から90年近くも昔のものです。
こんな古い管理観がいまだに、一部にせよ厳然と残っているのはなぜなのでしょうか……。

それは「人間の特性」として「自分が学んだことが上限になる」ということなのかもしれません。

「子供を虐待する親は、自分が子供の頃に虐待を受けていた経験がある」
といった類の話は、よく聞く話として当てはまるのかもしれません。

同様に、自分が若い頃に経験してきた「マネジメントスタイル」や「当時の上司の管理観」が、そのまま、良くない意味で継承されてしまっているということなのかもしれません。

では、そうした「負の連鎖」は、どうすれば断ち切ることができるのでしょうか……。

そもそも「“良い経営”とは何か?」の根源的な問い

大きな要因の一つとして「自分の経験しか知らない」という問題点が挙げられます。つまり、他の考え方・他の方法を学ぶ機会を持たなかったということです。

「現代経営学」といった大げさな話ではなくても、多くのビジネス関連書籍にこんなことは書かれています。

また、そうした本に書かれていることに対しても「そんなのは理想だ、きれいごとだ」「俺が経験的に学んで、ここまで来たのだから正しい」といった無謬(むびゅう)的な思考にとらわれ、謙虚さや学ぶ姿勢が不足しているのかもしれません。

ドラッカーは「完璧な経営者なんて存在しない」と言っています。
また、「経営の神髄とは?」の問いには「幸せの創造である」とし、良い経営とは「人が幸せになる自由を与えられ、感じられる社会になっているかどうかだ」と言っています。

GPTWのランキングで上位にランクされている会社の従業員の多くは、働きがいを感じ、やりがいを持って仕事に取り組んでいるからこそ、顧客に対しても「幸せ」を提供したいという思考になっているように思います。

ES(Employee Satisfaction/従業員満足)は、最近EH(Employee Happiness/従業員幸福)に進化し、それと歩調を合わせるようにCS(Customer Satisfaction/顧客満足)は、Customer Success(顧客の成功)に進化している時代になっています。

あらためて、「顧客の成功」に貢献したいと思い、それに喜びを感じる社員を育てるには、どうすればよいのか? を考えてみてはいかがでしょうか。

次回もよろしくお願いいたします。

次回は3月20日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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