第72回 会社の未来を切り拓く原動力としての「従業員の誇り」

皆さんの会社にとって、2017年はどのような年だったでしょうか。どのような状況だったとしても、1年を振り返ったり来年を展望したりする時期かと思います。今回は、皆さんの会社の未来を切り拓く原動力である「従業員の誇り」に関して考えてみたいと思います。

会社の未来を切り拓く原動力としての「従業員の誇り」

皆さん、こんにちは。

師走も押し迫った年の瀬を迎えましたが、皆さんの会社にとって、2017年はどのような年だったでしょうか。
業績はいかがだったでしょうか? その業績を生み出す従業員は成長したでしょうか?
あるいは、そういう従業員を育てるリーダーシップを発揮してくれる幹部は増えましたでしょうか?

どのような状況だったとしても、1年を振り返ったり、来年を展望したりする時期かと思います。

今回は、皆さんの会社の未来を切り拓く原動力である「従業員の誇り」に関して、考えてみたいと思います。

GPTW(働きがいのある会社)

このコラムの「第26回 仕事に対する誇り」でもご紹介させていただきましたが、

第26回 仕事に対する誇り(ERPナビ)

先日、とあるイベントでGreat Place to Work(R) Institute Japan代表 岡元 利奈子氏にご講演をいただく機会がありました。その中でも「仕事に対する誇り」に関しての言及がありましたが、今回はその会場だったホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」のスタッフの方の言動に見た「誇り」に関してご紹介させていただきます。

ザ・リッツ・カールトン大阪のスタッフの姿勢

上記、岡元氏の講演と共にいくつかのプログラムを提供させていただいており、私は、その中の「『神秘(リッツ・カールトン・ミスティーク)』の舞台裏に迫り、人の育て方を学ぶ!」を担当させていただきました。私の拙い解説を経て、「ホテル館内見学ツアー」をスタッフの方にご案内・ご紹介をいただくという流れのものです。

1時間ほどの見学を経て、参加者の皆さんは、普段目にする機会の少ないスイートルームの室内や設備の説明を受け、その背景の解説を聞き、興奮されたことと思います。

その案内を数名のスタッフが手分けしてくださったのですが、その中のある方とお話をさせていただいたときのことです。

リッツ・カールトンといえば「クレド・カード」と呼ばれるスモールカードで表現されている「ゴールド・スタンダード」があまりにも有名ですが、その方は「リッツの従業員としての誇り」に関して自ら話を聞かせてくださいました。

ゴールド・スタンダード

企業に勤める立場の自分にとって、

  • 仕事を通じてお客さまに対する貢献意識や成長欲求
  • 仕事をしている仲間が認めてくれることへの喜び
  • 苦しいときやへこんだときの拠り所としてのクレドへの共感……など

そして、上記を含めて「自分が働いている会社に対する誇り」を一社員の立場で、「どうしても伝えたい!」という気持ちが、ほとばしるような熱の入った話をされる姿は非常に輝いておられました。

最近は「働き方改革」の名の下に、いろいろな取り組みが話題になっていますが、「企業が従業員に提供する働きやすさ」という環境やインフラではなく「従業員が、その組織に対して抱く誇り」こそが、「会社の未来を切り拓く原動力」につながっていくのではないでしょうか。

ワーク・ライフ・バランスって本当?

「働き方改革」と同時に「ワーク・ライフ・バランス」という言葉もあらためて注目を浴びているようですが、並行して「ワーク・ライフ・インテグレーション」、「ライフ・ワーク・バランス」、「ワーク・ライフ・ミックス」といったアンチテーゼ的な考え方や表現も増えており、「現代の魔術師」と呼ばれる落合陽一氏に至っては「ワーク アズ ライフ」とまで言いきっておられます。

これほどまでに「働き方」や「仕事」に対して、多種多様な考え方や価値観が乱立している中ですが、「自分がやっていることに対する誇り」が必要な点は共通しているのではないでしょうか……。

自分が携わっている仕事が、誰の、どんな役に立っているのかが分からずに「自分がやっていることに意義や意味」を見出せない状態では、前向きなエネルギーが発せられるとは思いにくいように感じます。

前述のザ・リッツ・カールトン大阪のスタッフの方は、ご自身の仕事に対して、まさに「君たちはどう生きるか」という問いに、自分なりの答えを見出しておられているように感じました。

どれだけ自分中心に考えようとしたとしても、やはり「人間は、社会的な存在であることから逃れることはできない」わけであり、私たち一人ひとりに“働く意味・意義”を深く問いかけてくるように思います。

その働き方は、他人に“価値”を提供しているか?

最後に「新・働き方 総合研究所」のサイトJBpressから「その働き方は、他人に“価値”を提供しているか?」をご紹介させていただきます。

その働き方は、他人に“価値”を提供しているか?
元グーグル人材開発担当が考える「働き方」と「仕事の価値」とは?

元グーグル人材開発担当の方が考える「働き方」と「仕事の価値」に関してのコラムですが、この記述の中にある下記「三つの指標」は、経営者の皆さんにとって、自社の従業員のモチベーション状況を確認するには良い問いではないかと思います。

ラーニングアジリティ(成長思考)の指標

  • 難度が高く学びの多い仕事を好んで引き受けるか。
  • 新しい能力を開発する機会を常に探しているか。
  • 高い技術や知識レベルが必要とされる仕事を好むか。
  • 自分自身を大きく変えることができると思っているか。

心理的安全性の指標

  • 自分の職場で自分らしくいられるか。
  • 新しいことにチャレンジすることに、上司や同僚が協力的か。
  • 職場で周囲がネガティブなプレッシャーをかけることがないか。
  • チーム内の意思決定は、全員の意見が尊重されるか。

仕事のモチベーションに気づかせる質問

  • あなたは仕事を通じて何を得たいのか。
  • どうしてそれを得ることが大切なのか。
  • 何をもって“いい仕事をした”と言えるのか。
  • あなたの一番の強みは何だろうか。

1年の振り返りと来年の展望に向けて、参考になればと思います。

今後とも、よろしくお願いいたします。

次回は2018年1月17日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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