第45回 「組織の軋み」を招かないために……

皆さん、こんにちは!

例年にも増して、暑い夏だったような気がしますが、お盆を境に少しは過ごしやすくなってきたでしょうか。

日本列島の地盤はますます軋みが顕著になって、あちこちで火山の噴火や地震の予兆が大きくなっているようですが、私たちの「組織の軋み」の方は大丈夫でしょうか。

今月は、そんな「組織の軋み」を考えてみたいと思います。

「組織の軋み」

噴火や地震と同様に、「組織の軋み」も何か一つの事象で生まれるものではありません。日々の小さな事象やリーダーの発言・意思決定といった行動の積み重ねで、経営者が気づかない間に、簡単には取り戻せない程の大きな事態になってしまっていることが往々にして見られます。

現在、関わらせていただいているお客さまでも。一人一人は「良い会社にしていきたい」という思いのある経営者・経営層の方々のチョットしたボタンの掛け違いによるコミュニケーションの齟齬や、それぞれの方々の部門代表の意識が全体最適を妨げてしまう結果となり、その部下である現場での疑心暗鬼や猜疑心といったものを生んでしまっているケースが見られます。

こうした「組織の軋み」が表面的に現れてしまった時には、既に相当大きな溝となってしまっているケースが大半です。

・上司と部下との信頼関係の崩壊
・当事者意識の低下(無関心)
・行き過ぎた自部署保身
・指示待ち族の増加
・責任逃れ・責任転嫁・他責の常態化等々が目についておられるようであれば黄色信号というより、赤信号状態かもしれません。

そして、その溝を埋める、すなわち「お互いの理解・信頼を取り戻す」には想定以上の工数が掛かるのもまた事実です。

上記のお客さんでもタウンミーティングとして経営者の皆さんが各拠点を回り、従業員の不平・不満を聞いてまわる「現状認識」をするステージに相当の時間を費やされていました。

もちろん、それらの意見に真摯に耳を傾け、そのような不平・不満の根本要因がどこにあるのかを探っていく必要があります。

「組織の軋み」を是正するために

「真摯に耳を傾け・・・」と書きましたが、そもそも「悪い会社にしよう」「悪い会社にしたい」と思っている経営者の方々はいらっしゃいません。少なくともご自身としては「良かれ」と思っての発言や行動をしておられるわけですので「真摯に耳を傾ける」という行動自体が、ナンセンスに聞こえるケースもあることが散見されます。

つまり「自身の思考プロセス」を客観的に捉えるという行為そのものが非常にハードルの高い行為だと言えるのではないでしょうか。

そんな時に思い出していただきたいのが、「ライフスクリプト(人生脚本)」ということになるのではないでしょうか。

ライフ・スクリプト(人生脚本)の視点から

ライフ・スクリプトに関しては「第10回 『ライフ・ポジション』から考える『フラットな関係』」の中でご紹介をさせていただいたことがあります。
第10回 「ライフ・ポジション」から考える「フラットな関係」

「ライフ・スクリプト(人生脚本)」に関しては、この6月に嶋田毅氏(グロービス電子出版 発行人 兼 編集長)のコラム「人生脚本は書き換えられる! 『人生の99%は思い込み』」で、より詳しく記載されています。
人生脚本は書き換えられる! ―『人生の99%は思い込み』(GLOBIS知見録Webサイト)

また、このコラム自身も鈴木敏昭氏の著書「人生の99%は思い込み―――支配された人生から脱却するための心理学」(ダイヤモンド社)の紹介という位置づけで書かれていますので、ご興味のある方はぜひご一読いただければと思います。

いずれにしても、自分の「思考プロセス」のクセ・無意識の習慣と向き合う作業が不可欠になります。この思考の転換、いわゆるパラダイムシフトは決して簡単なことではありませんが、一旦崩れた信頼関係を修復する方が、より膨大な工数が掛かるわけですから、自分の主義・主張に拘るのではなく「良い会社にしていく」ために、「自身の思考プロセス」と向き合った方が良いように思います。

転ばぬ先の杖、ということでしょうか……。

今後も、よろしくお願いいたします。

次回は9月16日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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