第7回 その道具は本当に合っていますか【1】

皆さんの生産管理システムは、本当に活用できていますか?

前回までは、生産管理システムを導入・運用する収益改善・業務改善プロジェクトにおいて最も重要な要素となる「目的」、そしてその目的に向かってプロジェクトの活動をされるもう一つの重要な要素、「人」(意識・想い)について皆さんと一緒に考えてきました。

今回からは少しテーマを変えて、この目的を共有し、結果にこだわる意識・想いを持って取り組まれるプロジェクト活動において活用される「道具」=生産管理システムについて考えていきたいと思います。

そもそもこのコラムは皆さんと生産管理システムについて考えるテーマですから、やっと本題?と思うかもしれませんが、やはりさまざまなプロジェクト活動において重要なものはその「目的」であり、あくまでもシステムはその目的を達成するための「道具」でしかないと私は思っています。
私自身も皆さんと「道具」や「手法」を一緒に考えていくうえで、「このテーマの目的はなんだったっけ?」と常に振り返り・共有して考えていければと思っています。

さて、昨今では、製造業においてこの「道具」としてのシステムを導入・使用されていない企業はまれで、ほとんどの製造業において、特に「生産管理」と冠のついたシステムを導入・使用されていることと思います。我々もそんな企業の「道具」(システム)と「手法」(運用)の見直しをご提案・ご支援するために、日々さまざまな製造業のお客様にご訪問をさせていただいております。

そんな日々の活動の中で、お客様にお伺いするとよくお見受けし・お聞きする「生産管理システムがうまく活用できていない」、「生産管理システムが使えていない」等々のお悩み。
少し詳しく話をお聞きしていくと、「製品の受注・売上管理にしか使っていない」、「現場に対して、製品の完成指示だけをおこなっている」、「受注情報を元に月度発注手配をおこなっている」等の伝票発行や販売管理集計目的の分散管理的運用で、皆さん当初目標とされていた一元管理や見える化とは程遠い状況となってしまっています。

結果、製造部門においてはそれぞれが完成指示に向け、生産管理システムとは別にExcel等で情報転記・分散管理をおこなっており、「どこに何があり、どこまで何ができているのか把握できない」、「部品がショートしたり、余剰在庫が発生したりして、現場とトラブルが絶えない」などなど、日々の業務の中でのお悩みがあふれるほど聞こえてきます。

挙句には、製造業において最も重要な「物」(=お金としての「在庫」)が見えない・把握できない、システムの「在庫」が合わないので、常に在庫補正や棚卸調整をおこなっている等の本末転倒なお話が聞こえてきます。

そもそも製造業においてお金を生んでいるのはものづくりたる製造(=付加価値)とそのものづくりにおいて管理され、サプライチェーンされている「物」(=在庫)の管理の仕方にこそ収益管理・収益改善が存在していると思うのです。

そうです、それこそがまさに「生産管理」です。
皆さんと一緒に共有したいのは、まさにその収益改善目標としての「生産管理」です。実は、「伝票」や「売上集計」は“お金を生んでいない”のです。企業においては、さまざまな効率改善は業務改善をおこなっていくうえで必要不可欠です。その中に事務効率の改善として伝票作成や売上集計の効率化は、広い意味では企業の収益原価の改善に貢献していることは間違いありません。
でもやっぱり製造業の収益改善目標において最も重要な改善要素は、ものづくりにおける「生産管理」=「在庫管理」=「収益管理」にあると思うのです。

収益改善という「目的」に対しておこなわれる「生産管理」、その「道具」としての側面から皆さんと一緒に考えていきたいと考えております。

懲りずに、お付き合いいただければ幸いです。

次回は11月19日(木)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 本部SI統括部 製造SPグループ

須永 浩昌

制御技術系の製造業に入社し、技術設計・営業・製造(生産管理)に携わる。その後、生産管理システム系のソリューションベンダーに転籍。主に繰り返し型の加工業に特化した生産管理システムの開発・営業・支援に携わる。数多くの企業と共に生産管理システムによる業務改善・稼働実績を持ち、現在でも生産管理パートナーの創造に取り組んでいる。

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