第3回 目的はなんだったっけ【2】

「理想論」でしょ。

製造業のお客様の生産管理システムのご導入・立上げをお手伝いしている中で、よく遭遇するこんなお話から。

皆さん、現状のシステム管理・生産管理の問題点・課題点を改善することを「活動目標」として、新たな生産管理システム導入の判断、社内PJ(プロジェクト)の立ち上げを行います。
そして、現状業務の問題点を把握・共有し、課題点の整理や要求定義を導入時の「業務分析」として取りまとめを行います。いわゆる「業務分析フェーズ」です。
ここまでは大概のお客様において、通常の日常業務と並行しながら「業務外PJ」として進行していきます。

次に、取りまとめた「活動目標」=「業務改善目標」に向かって、新たな生産管理システムではどのように実業務に当てはめていけばいいのかを検討していきます。すなわち、「業務分析フェーズ」から「テスト稼働・シミュレーションのフェーズ」へと移行します。そして、このフェーズにおいて明確に現れる結果は、「どれだけ想定・パターンの幅を持ってテスト・評価を行ったか」が全てとなります。

実はこの段階になりますと、皆さんの想像以上に負荷の高い現実に直面します。限られた立上げスケジュールの中で、日々の忙しい通常業務をこなしつつ活動を行わなければならない「業務外PJ」の抱える高くて厳しい壁。
この壁に直面し噴き出してくる現実・結果が、「仕事が忙しくて」、「時間がなくて」、「今のやり方では」、「今やっていないから」、だから「できない」。
あれ?どこかで聞いたような?そんな状況が、多かれ少なかれいろいろなお客様で起こってきます。

そんなPJ活動に直面すると、いつも出てくる言葉の一つにこんなものがあります。
「それって、理想論でしょ」

そもそも、今「できていない」からこそ、PJ目標に向かって改善活動として取組んでいたはず。
「できる」結果を一つ一つ模索し、テストしていくことに活動の目的があるはずです。
そもそも「できていないこと」を「できる」ようにする活動の目標自体「理想論」であるべきではないでしょうか?

どうしても、日常業務と並行して業務外PJのウエイトが高くなってくるにつれ、「できない」が散見しはじめ、最終的に「できることから」、「今できていることを」、「今やっていることを」、「今の業務のまま」と「できない理由」が肯定され、「やらない現実論」が大勢を占めてくる傾向にあります。

そもそも「できること」、「できていること」は現状把握の時点での共通認識であり、PJ活動の原点・ベースになる部分ではないでしょうか。

その上に「できること」もできていない問題点・課題点に対して、「あるべき姿」、「できる結果」という目標をおいて、改善活動に取り組んでいただいているものだと認識しています。

そう、そもそも「目標」は総じて「理想論」です。

一番言われる、「時間が無いから」、「忙しいから」の次にくる「できない」現実。
その中で大切になってくるのは、「できていない」現実を「できるようにする」意識。
精神論のようにも聞こえるかもしれませんが、「できる未来」に拘るための「理想論」に他ならないと思うのです。

実際に、製造業の皆さんが置かれている現実は多かれ少なかれ、日常業務をこなした上での業務外PJという厳しい現実です。
だからこそ、その活動の中で大切になってくるのは「理想論」である目標、「できるべき未来像」ではないでしょうか。
厳しい現実の中で、「できる」と「できない」(やらない)の大きな分岐点こそ、この「目標」=「理想論」の存在だと思うのです。

PJ活動が頓挫したり、最終的に満足・納得のいく稼働結果に至らないPJに直面したりする度に、私たちも常に反省する点でもあります。
お客様と一緒に「理想論」を共有し、「理想論」に向かって十分なお手伝いができていたか?
常にその反省を胸に、お客様の「目的」にご一緒してお手伝いすることを忘れずに意識し、活動していきたいと考えています。
皆さん、一緒に「できる」未来、「理想論」に拘って、生産管理改善PJ活動に取り組み、「できる」未来を一つ一つ紡いでいきましょう。

次回は7月16日(木)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 本部SI統括部 製造SPグループ

須永 浩昌

制御技術系の製造業に入社し、技術設計・営業・製造(生産管理)に携わる。その後、生産管理システム系のソリューションベンダーに転籍。主に繰り返し型の加工業に特化した生産管理システムの開発・営業・支援に携わる。数多くの企業と共に生産管理システムによる業務改善・稼働実績を持ち、現在でも生産管理パートナーの創造に取り組んでいる。

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