第174回 医療DXと医療AI その15~生成AI、PowerPoint、Gamma~

医療機関の中で、プレゼンテーションのためにPowerPointなどで資料を作成する機会の多い職種は医師です。学会発表に向けた資料作成に加え、患者への疾患説明や治療法などの資料作成を一から始めると、多くの時間を要してしまうこともあります。そこで、生成AIの出番となります。

医療DXと医療AI その15~生成AI、PowerPoint、Gamma~

医療機関の中で、プレゼンテーションのためにPowerPointなどで資料を作成する機会の多い職種は医師です。学会発表に向けた資料作成に加え、患者への疾患説明や治療法、注意事項の説明などにもPowerPointが用いられます(後者は医師以外の職種が作成することが多いです)。いずれの場合も、基になるデータや資料があり、何らかの目的のためにPowerPointをツールとして活用します。特に医師は医療機関の中でも最も忙しい職種ですので、資料作成を一から始めると、多くの時間を要してしまうこともあります。そこで、生成AIの出番となります。

PowerPointの作成には2種類の生成AIの活用がおすすめ

PowerPointを生成AIで作成するときは、2種類の生成AIを使うことをお勧めします。まず、プレゼンテーションの全体的な骨子をChatGPTで作成します。次にその骨子をGammaに取り込んで(貼り付け)、PowerPointのスライドを自動生成します。最後にテーマ、色調、フォントなどを調整して完成です。

ChatGPTによる骨子作成(プロンプト例)

あなたは、優秀で説明が分かりやすいと評判の医師です。
学会発表用の資料を作成してください。

#条件(固定部分)

  • 文体トーン:学会の発表に適した文体
  • スライド形式:各スライドにタイトルを付け、ページ数を挿入する
  • 添付のデータを基に図やグラフを活用する
  • 「はじめに」「目的」「方法」「結果」「考察」の順序でスライドを作成する
  • スライドの枚数の目安:表紙を含めて20枚程度

#誰に、何を伝えたいのか(可変部分)

  • 主な聴講者:医師
  • 方法の正当性、結果の妥当性、深い洞察力を強調する
  • * 「#」:ここでは全角で記載していますが、生成AIで使用する際は半角で記載します。

以上のプロンプトによってChatGPTでPowerPointの骨子が完成します。前半部分を「固定部分」、後半部分を「可変部分」としてテンプレート化しておけば、次回以降の資料作成をよりスピーディーに進めることができます。なお、「主な聴講者」は、想定される読者にあたります。場合によっては、この部分が患者になることもあります。
作成した骨子をGammaに貼り付けて、PowerPointの作成を行います。

Gammaの画面

出典:Genspark AI ワークスペース 4.0

Gammaは、基本的に有料サービスなのですが、登録時に無料で利用できるクレジットが付与されますので、ある程度は試しに使うことができます。上記の初期画面を見ても分かるように、他の生成AIと似た画面構成となっており、操作に戸惑うことは少ないかと思います。

ChatGPTで作成した骨子をコピーし「テキストを貼り付ける」画面の入力欄に貼り付けます。その後、画面に表示される「続ける」のボタンを順にクリックし、画面を進めていくと、テーマ(デザインテンプレート)を選択する画面が表示されます。Gammaはデザインテンプレートが豊富で、さらにカラーテーマも多彩です。また、自動生成後でもテーマを選び直すことができ、変更するとスライド全てが新しく選択したテーマに合わせて変更されます。用途やイメージに併せてアレンジすることが可能です。任意のテーマを選択し、「生成」ボタンを押すと、数秒から数十秒でスライドが完成します。

最後の作業は、手作業による最終調整です。ただし、この段階で完成度はかなり高く、最終調整が必要ない場合もあります。さらに発表時間との兼ね合いもありますので、実際にスライドを映しながらプレゼンテーションを行い、所要時間が短い(長い)などがありましたら、スライドの枚数を増やしたり、減らしたりといった作業も残っています。

スライド作成が得意な生成AIはGamma以外にも「イルシル」があります。日本企業向けに作られており、使いやすいテンプレートが豊富に準備されている点が特長です。

参考:イルシル公式サイト

プレゼンテーションで最も重要なことは、伝えたい相手に確実に伝わることです。詳細な部分やデザインにあまり固執せず、生成AIを上手に活用しましょう。

皆さんはどう思いますか?

次回は7月8日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社FMCA 代表取締役

藤井 昌弘

1984年に医療関連企業入社。院内の各種改善活動を指導。急性期医療機関出向、帰任後、厚生労働省担当主任研究員として厚生行政の政策分析に従事。2005年退職、株式会社FMCAを設立。原価計算の導入と活用、病院移転に伴うマネジメントも実施。
株式会社FMCA

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