ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第42回 デジタルノマドとワーケーションという働き方(前編)
最近、「デジタルノマド」という言葉をよく耳にするようになりました。デジタルノマドとは、デジタル技術を駆使してリモートワークをしながら「遊牧民(ノマド)」のように生活をするスタイルのことです。今回はワーケーションとの異同を解説し、次回は両者を成功させるためのポイントを説明します。
デジタルノマドとワーケーションという働き方(前編)
最近、「デジタルノマド」という言葉をよく耳にするようになりました。デジタルノマドとは、デジタル技術を駆使してリモートワークをしながら「遊牧民(ノマド)」のように生活をするスタイルのことです。ワーケーションと共に、リモートワークの形態として近年注目されています。
デジタルノマド、ワーケーション、どちらもテクノロジーを活用し、オフィスに縛られずに仕事を行う点で共通しています。しかし、幾つかの異なる部分もあります。今回は、両者の共通点と異なる点を解説し、次回では二つの働き方において成果を出すポイントを説明します。
デジタルノマドとワーケーションとは?
まず、デジタルノマドとワーケーションを簡単に定義してみましょう。
「デジタルノマド」とは、インターネットを活用して、特定の場所に縛られずに「遊牧民(ノマド)」のように移動しながら仕事をする働き方(ワークスタイル/ライフスタイル)です。
「ワーケーション」とは、仕事(Work)と休暇(Vacation)とを組み合わせた造語で、通常の居住地を離れて旅行先などで仕事を行う働き方です。旅行中にリモートワークを行い、リフレッシュしながら仕事を進めることができます。
共通点と異なる点
共通点
- リモートワークの実施:インターネットを利用してリモートで仕事を行い、オフィスに通勤する必要がありません。
- テクノロジーの利用:ノートパソコン、スマートフォン、クラウドサービス、ビデオ会議ツールなどのデジタルツールを駆使して業務を遂行します。
- 柔軟な働き方:時間や場所に縛られず、好きな時に好きな場所で自由に仕事ができます。
異なる点
両者を明確に区別し線引きすることは難しいですが、一般的な異なる点を表にして整理しました。
デジタルノマド | ワーケーション | |
---|---|---|
定義 | インターネットを活用して、特定の場所に縛られずに「遊牧民(ノマド)」のように移動しながら仕事をする働き方、もしくは生き方 | 仕事(Work)と休暇(Vacation)とを組み合わせた造語で、通常の居住地を離れて旅行先などで仕事を行う働き方 |
滞在期間 | 数週間から数カ月間、あるいはそれ以上の長期間滞在し、各地を移動する | 数日間から数週間の短期間の滞在で、旅行先で一時的に仕事を行う |
生活スタイル | 多拠点生活が基本であり、頻繁に居住地を変えるため、持ち物も最小限に抑える。生活スタイルは居住地によって柔軟に変える | 通常の居住地を基盤にし、特定の休暇期間中だけ旅行先で仕事を行うため、生活スタイルはあまり変わらない |
目的 | 自由な生活スタイルの追求や多様な文化・環境の経験を主な目的とする | 仕事と休暇とを両立させ、リフレッシュしながら創造的に効率よく仕事を進めることを目的とする |
コミュニティーとの関わり | 各地で新しいコミュニティーとの関わりを求め、現地の人々と深く交流することが多い | 一時的な滞在のため、現地のコミュニティーとの関わりは比較的浅い |
まとめ
デジタルノマドとワーケーションは、どちらもリモートワークの形態としてテクノロジーを活用し、場所にとらわれずに仕事を行う点で共通しています。しかし、前述のとおり、幾つかの点で大きな違いがあります。これらの違いを理解し、自分に合ったスタイルを選ぶことで、新しい働き方や生き方を実現できるかもしれません。
どちらのスタイルを選ぶにせよ、目的を達成するためには幾つかのポイントとコツがあります。次回はセルフマネジメントとタスクマネジメントの視点から、その具体的なポイントを詳しく説明しますので、ぜひご期待ください。