第20回 「働き方改革」「業務改善」のおすすめ図書 厳選5冊を紹介します!

「働き方改革」を契機に業務改善に取り組む企業が増えています。今回は、「働き方改革」「業務改善」におすすめの書籍5冊をご紹介します。

「働き方改革」「業務改善」のおすすめ図書 厳選5冊を紹介します!

最近、働き方改革や業務改善について「参考になる本はありませんか?」「おすすめの本があれば教えてください」と相談されることが時々あります。働き方改革や業務改善に取り組もうとしても、何から、どのように始めれば良いか分からなくて困っている人が多いのかもしれません。
相談された相手によっておすすめする書籍は違いますが、今回はその中で私がおすすめの5冊を紹介します。ご関心を持たれるものがあれば、ぜひご覧ください。きっと、多くのヒントに出会えるはずです。

  1. 白河桃子『御社の働き方改革、ここが間違ってます! 残業削減で伸びるすごい会社』 (PHP研究所)
    「働き方改革」がブームのようになっています。しかし、その本質を十分に理解しないまま拙速に取り組んでいる企業も散見されます。本書では、そのような企業での典型的な失敗例とその原因を取り上げたうえで、成果を挙げている企業事例が多数紹介されています。
    「働き方改革」という言葉は、分かるようで実は分かりにくい曖昧な言葉です。この言葉を十分に理解できないまま改革を進めることは効率が悪く、危険なことでもあります。そのような方は立ち止まって、ぜひ、本書を読んでください。働き方改革の本質が見えてくると思います。
    また、本書の内容を理解したら、ぜひ上司や経営トップにも読んでもらうことをおすすめします。働き方改革、業務改善の成否は、結局のところ、上司やトップの理解度と本気度が決めるのです。
    ちなみに、著者の白河桃子氏は、民間企業勤務を経て著述業に入り、政府の「働き方改革実現会議」の委員を務めた経験も有する人です。
  2. 沢渡あまね『職場の問題地図』(技術評論社)
  3. 沢渡あまね『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)
    “業務プロセス改善士”として分かりやすい良書を多数執筆している沢渡あまね氏の著書を2冊紹介します。
    1冊目の『職場の問題地図』は、思わず「あるある!」と言いたくなる職場の問題を取り上げながら、問題の原因と解決策が分かりやすく提示されています。親しみやすいイラスト、図表を交えながらやさしい言葉で書かれており、業務改善の入門編としておすすめします。職場のみんなで読めば、全員が「あるある!」を思い、自然と改善の意識が芽生えてくるかもしれません。

    2冊目の『チームの生産性をあげる。』では、“チーム全体”で業務改善を進め、生産性を高める68の具体策が、4つのフェーズ、8つのステップに整理されて書かれています。各章の終わりには、その章で説明された内容に即した企業事例が紹介され、「理論」から「実践」へ腹に落ちるように理解できます。自社で実行する時の参考にもなるでしょう。

  4. 日本能率協会コンサルティング『業務改善ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター)
    組織、部門で本腰を入れて業務改善に取り組む際にとても役立つ1冊です。6つのステップに沿って業務改善の進め方が詳細に説明され、各ステップで実際に使用するフォーマットやツールが惜しみなく掲載されています。実際に業務改善を進める際に、まさに“ハンドブック”として役立つでしょう。本書で説明されているフォーマットの一部は出版社のホームページからダウンロードすることもでき、すぐに使うことができます。
  5. 西村克己『ゼロから始めるプロジェクトマネジメント大全』(大和出版)
    組織的業務改善の成否は、プロジェクトマネジメントの巧拙が決めると言っても過言ではありません。そして、プロジェクトマネジメントはとても難しくデリケートなものです。
    プロジェクトマネジメントを解説した書籍は多数ありますが、その中で私が一冊おすすめするとすれば本書です。プロジェクトマネジメントの要諦が洩れなく、具体的に説明され、各種フォーマットや手法が余すところなく紹介されています。
    業務改善のプロジェクトを発足する際には、プロジェクトオーナー、プロジェクトリーダー、プロジェクト事務局がプロジェクトマネジメントを理解し、共通の認識を持つためにおすすめの1冊です。

さて、働き方改革、業務改善について5冊の推薦書を紹介してきましたが、同テーマについて私が最近執筆した記事を最後に紹介します。人事管理の専門誌『労政時報』(3933号~3936号)に連載した「人事部門の戦略的業務改善」というものです。「働き方改革を推進する人事部は自らの業務改善(業務の進め方改革)を行わなければならない」という問題意識を持って執筆しました。
4回の短期連載で、最初の3回では人事部の業務改善の進め方を解説し、最終回で「年末調整業務」と「新卒採用業務」の2つの業務を事例にして、私が人事責任者、コンサルタントとして行った業務改善を説明しています。

働き方改革、業務改善を進める際、理解が不十分なまま自己流で進めると、余計な手間や時間がかかったり、壁にぶつかり停滞したり、頓挫して失敗に終わったりします。
参考となる書籍を読み込み、基本的な考え方、成功事例、失敗事例から謙虚に学ぶことも有効な方法の一つです。
今回ご紹介した書籍の中で1冊でも興味を持たれたものがあれば、ぜひ手に取ってみてください。

次回は11月5日(木)更新予定です。

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この記事の著者

太期 健三郎

ワークデザイン研究所 代表
石山社会保険労務管理事務所 パートナー・コンサルタント

経営コンサルタント。
管理間接部門の業務改善、HRM(人材マネジメント)の二本の専門領域を持つことを強みとする。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスに勤務後、2008年にワークデザイン研究所を設立。
MURCでは人事コンサルティング、ミスミではコールセンターの業務改善を行った後、三枝匡社長(当時)の直轄タスクフォースで営業改革を推進する。グロービスではコンプライアンスおよびリスクマネジメントを統括、推進。
また、2013年~2015年にはクライアント企業の食品メーカーの内部改革者として人事部長・経営改革室長を兼務する。
「患者様の声をよく聴き、丁寧に診断・治療する“中小企業のかかりつけ医”」を信条としている。
ワークデザイン研究所
石山社会保険労務管理事務所

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