第26回 働き方改革は、元気なあいさつ、笑顔のあいさつから

「働き方改革」というのは非常にあいまいな言葉ですが、新たに制度を導入したり、ICT(情報通信技術)を活用したりすることだけが働き方改革ではありません。費用が掛からず簡単に始められる「あいさつの励行」も有効な働き方改革の一つです。

働き方改革は、元気なあいさつ、笑顔のあいさつから

先日、新聞の紙面で「生産性向上は課長の笑顔から」というコラム*を読み、我が意を得た思いで嬉しくなりました。
コラムの内容を要約すると「課長が必死の形相でパソコンに向かっていると、部下は相談や報告をためらうようになり、結果としてチームの生産性は損なわれる。日常のコミュニケーションがうまくいくチームは士気が上がり、創造性も発揮できるようになり、それにはまず課長の笑顔からである。」というものです。

  • *内田洋行執行役員・知的生産性研究所所長 平山信彦氏執筆(日本経済新聞 2018年1月24日)

仕事の問題の8割はコミュニケーションが原因

仕事や職場の問題の8割はコミュニケーションが原因で発生している、と言われます。
例えば、必要な情報が共有されていない、仕事の指示が十分かつ適切に行われない、報告・連絡・相談が不十分である、などです。報告・連絡・相談について言えば、部下だけでなく上司からもしっかり行われなくてはなりません。
そして、コミュニケーションに問題のある職場では、各人が忙しすぎて発生する不機嫌なオーラ、ギクシャクした雰囲気、しかめっ面の上司、がしばしば見られます。

それらを解消するものの一つが「あいさつ」です。元気なあいさつ、笑顔のあいさつはコミュニケーションを円滑にし、活性化させます。そして、職場の雰囲気を明るくします。

働き方改革は制度の整備、導入だけではない

「働き方改革」というのは非常にあいまいな言葉ですが、新たに制度を導入したり、ICT(情報通信技術)を活用したりすることだけが働き方改革ではありません。費用が掛からず簡単に始められる「あいさつの励行」も有効な働き方改革の一つです。
管理者や経営トップが率先してあいさつ、それも笑顔でやわらかいあいさつをすれば、社員も追随します。

各種調査によると、働き方改革の取り組み状況は半数から7割程度で、企業規模が小さくなるほどその比率は低くなっています。
働き方改革にこれから取り組む企業は「元気なあいさつ、笑顔のあいさつ」から始めてみてはいかがでしょうか。

次回は4月19日(木)更新予定です。

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この記事の著者

ワークデザイン研究所/石山社会保険労務管理事務所

太期 健三郎

ワークデザイン研究所 代表
石山社会保険労務管理事務所 パートナー・コンサルタント

経営コンサルタント。
管理間接部門の業務改善、HRM(人材マネジメント)の二本の専門領域を持つことを強みとする。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスに勤務後、2008年にワークデザイン研究所を設立。
MURCでは人事コンサルティング、ミスミではコールセンターの業務改善を行った後、三枝匡社長(当時)の直轄タスクフォースで営業改革を推進する。グロービスではコンプライアンスおよびリスクマネジメントを統括、推進。
また、2013年~2015年にはクライアント企業の食品メーカーの内部改革者として人事部長・経営改革室長を兼務する。
「患者様の声をよく聴き、丁寧に診断・治療する“中小企業のかかりつけ医”」を信条としている。
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