第2回 人事の仕事は「人=企業のエンジン」のマネジメント

今回は人事部門の役割について述べていきます。
人事の仕事と言えば、採用に始まり、日々の勤怠管理、育成、配置、人事評価、給与支給など様々です。
「採用」から「退職」に至るまでの各業務(図表1)はどれも重要なものですが、これら一つひとつは人材マネジメントを行うための手段、方法に過ぎません。
しかし、各業務を「ルール通りに粛々と」「前例を踏襲して」行い続けるだけの旧来型人事部門は少なくありません。
これでは「手段、方法」が「目的」になってしまっています。

図表1:人材マネジメントの業務フロー

「企業は人なり」という言葉は昔から言われ続けていますが、経営環境の変化が速く、競争が激化している今こそ、この言葉が持つ意味を噛みしめるべき時代はありません。

人事は、経営戦略を実行する「人材」をマネジメントしていく部門なのです。
良い経営戦略を立てても、それを実行するのは一人ひとりの社員です。
商品、サービスを開発し、それを販売するのも社員です。社員は戦略を実現し、企業を推進させる「エンジン」と言えるでしょう。
そのエンジンを強くする方法は二つです。
一つは、質の高い社員を採用すること。もう一つは、採用した社員を育てパフォーマンスを最大限に引き出すことです。
この二つを実現するには、人事の各業務を個別にではなく、経営戦略、事業戦略に照らして、人材マネジメントという一連のフローとして行っていくことが必要となります(図表2)。

図表2:経営戦略・事業戦略と、人材マネジメント各機能の関係

「採用」では、自社の事業戦略を実現するための人材像(どんなスキル、マインドが必要か具体的に考える)を具体的に描き、選考基準、採用方法を考えます。
「育成」では、上記の人材像と照らして今の社員が不足しているものは何か?不足していて補うべきものの優先順位を考えて、育成対象者、育成方法を選びます。
「報酬」では、社員のモチベーションと定着を高めることを考え、給与、インセンティブ、賞与、退職金など、短期~中長期の報酬を設計します。
このように、常に経営戦略、事業戦略の実現を考え、個別の業務を連動させ、整合性を考えながら実行していくことが大切になるのです。

上記のように一連の人材マネジメントを行うためには、企業全体の視点で、統合型基幹業務システムの中で、採用、就業、評価、給与などを管理していくことも有効となるでしょう。

「企業は人なり」。人材マネジメントの巧拙が会社の業績、成長を左右するのです。

次回は11月11日(月)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社リバティーフーズ 人事部長
ワークデザイン研究所 代表

太期(だいご) 健三郎

食品メーカー人事部長/ビジネス書作家/経営コンサルタント。
専門領域は、人事評価制度・賃金制度の構築、人材育成、間接部門のコストダウン。
三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスを経て、現職。ミスミ時代には三枝匡社長(当時)の直轄タスクフォースにて営業改革、短期営業戦略を推進する。
経営コンサルタントを“企業のお医者さん”と考え、「患者(クライアント企業)の声をよく聴き、現状をしっかり診察し、治療する」をモットーとする。
神奈川県横浜市出身。著書『ビジネス思考が身につく本』(明日香出版社)。
ワークデザイン研究所

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