第3回 事務部門の業務改善をしよう!

日本のホワイトカラーの業務生産性は世界的に低いと言われています。ここでは、ホワイトカラーを、総務、人事、経理、営業事務など事務部門とします。生産性が低いということは、ムダが多く、業務改善の余地があることを意味します。今回から数回にわたって、事務部門の業務改善について述べていきます。
 
■ 生産性の低い事務部門でよく見られる現象
私はさまざまな企業とお付き合いし、多くの事務部門を見てきましたが、生産性の低い事務部門では共通の現象が見られます。
・日々の様々な仕事を「もぐらたたき」のようにバタバタと慌ただしく処理している
・月末月初などの業務が集中するときと、手が空くときの繁閑の差が大きい
・新人に仕事の説明をするのに時間がかかる/スタッフ退職時の引き継ぎがスムーズに行われない
・一人の担当者しか行えない業務があり、その担当者が不在だと業務が滞る
・業務改善の必要性は感じるが、どこからどのように始めればよいかわからない 
など
御社の事務部門はいかがですか?二つ以上該当すれば、業務改善をすぐに始めることをお薦めします。

事務部門の生産性を考えるとき、私はいつもプールで泳ぐスイマーを思い浮かべます。上手なスイマーは早く、長距離を静かに泳ぎます。それに対して、下手なスイマーはバチャバチャと盛大に水しぶきを上げるものの、なかなか早く泳ぐことができません。 
生産性が高い事務部門は整然と業務を進め、低い事務部門は慌ただしく進め、ミスも多い。上記の二人のスイマーの姿に共通点を感じませんか?

■ 事務部門の業務改善が難しいのはなぜ?
事務部門に比べ、工場の製造現場では業務改善が進んでいます。これは両者の業務の性質の違いによります。以下、事務部門と製造現場の業務の性質を比較したものです。

この表から見て明らかなように、事務部門と製造部門の業務の性質は大きく異なります。真逆といってもよいでしょう。
「業務の種類が少ない」「定型・単純業務が多い」「業務プロセスがシンプル」などの性質を持ち、業務改善の手法が確立されている製造部門に比べれば、事務部門の業務改善がはるかに難しいのは当然のことです。
しかし、逆に考えれば、事務部門の業務改善が進んでいないということは、生産性向上、コスト削減を多く見込めるということです。

これから何回かにわたって「事務部門の業務改善の進め方」を解説していきたいと思いますが、今回の最後に、業務改善によって期待できる代表的な効果を示します。

・ムダを減らせる(人件費他のコストダウン)
・ミスを減らせる(ミスへ対応する時間、コスト、ストレスを減らす)
・仕事をスピードアップできる(速く:スピードアップ、早く:納期を早める)
・仕事を簡単にする、楽にする

業務改善を進めると、会社も社員もお客さん(*)もハッピーになります。
あなたの部署でも、当コラムを読んで業務改善を進めていきませんか?

*:総務部、人事部など事務部門の主要なお客さんは自社の社員である。総務部、人事部の業務改善が進むと、社員の満足度は高まる。

次回は11月9日(月)の更新予定です。

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この記事の著者

太期 健三郎

ワークデザイン研究所 代表
石山社会保険労務管理事務所 パートナー・コンサルタント

経営コンサルタント。
管理間接部門の業務改善、HRM(人材マネジメント)の二本の専門領域を持つことを強みとする。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスに勤務後、2008年にワークデザイン研究所を設立。
MURCでは人事コンサルティング、ミスミではコールセンターの業務改善を行った後、三枝匡社長(当時)の直轄タスクフォースで営業改革を推進する。グロービスではコンプライアンスおよびリスクマネジメントを統括、推進。
また、2013年~2015年にはクライアント企業の食品メーカーの内部改革者として人事部長・経営改革室長を兼務する。
「患者様の声をよく聴き、丁寧に診断・治療する“中小企業のかかりつけ医”」を信条としている。
ワークデザイン研究所
石山社会保険労務管理事務所

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