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第12回 業務改善の成否は当事者の「本気度」「熱量」が決める
しばらく休載していた当コラムですが連載を再開させていただきます。引き続き、どうぞよろしくお願いします。今回のタイトルを見て、「精神論の話……?」と思われた方もいるでしょう。しかし、これは精神論ではありません。マネジメントのお話です。
モチベーション・マネジメント、プロジェクト・マネジメント
しばらく休載していた当コラムですが、連載を再開させていただきます。
この間、実はコンサルティングを行っていた食品メーカーで、人事部長 兼 経営改革室長という立場で仕事をしていました。同時に、自分が代表を務めるワークデザイン研究所も運営していましたので、執筆を続ける余裕がありませんでした。この度、執筆できる状態になりましたので連載を再開することにしました。引き続きよろしくお願いします。
さて、今回のタイトルを見て、「精神論の話……?」と思われた方もいるでしょう。しかし、これは精神論ではありません。マネジメント(モチベーション・マネジメント、プロジェクト・マネジメント等)のお話です。
業務改善に取り組んだものの、なかなか成果が出ず、途中で頓挫するという例は少なくありません。いえ、残念ながら、頓挫する方が多いというのが実態であるように思います。
私は業務改善の研修をしばしば行います。改善のスキル、手法などを学んだ多くの受講生は、研修終了時に「改善できそうです! 頑張ります!」と意気込みます。しかし、数カ月後に、研修先企業を訪問すると、業務改善が順調に進んでいる企業もあれば、停滞・頓挫している企業もあります。その違いはどこにあるのでしょうか。
業務改善が進まない理由は幾つかあります。
- そもそも、間接部門の業務改善は、製造部門などに比べて難しい
- 目の前の業務が忙しく、改善に時間を投入できない
- 今までの慣れたやり方が楽ちん。人はそもそも「何かを変えること」「新しいこと」を嫌う
- 管理者はメンバーに改善を指示したままで、フォローをしない
などが、典型的なものでしょう。
理由はいろいろありますが、停滞・頓挫する企業の一番の原因は業務改善への「本気度」が低いことだと思います。「本気度」は、改善に注ぎ込む「熱量」と言い換えることもできます。
「間接部門の業務改善は難しい」「忙しくて改善に取り組む余裕がない」「今までのやり方の方が楽」なんて、どの企業も一緒ですよね。でも、「本気度」があればできない理由ではなく、できる方法を考えて取り組んでいくはずです。
個人の例で考えてみましょう。学生時代にサッカーの県大会でどうしても優勝したい。大好きなあの人とつきあいたい! 子供のアトピー性皮膚炎を治してあげたい。人それぞれ強く願うことがあります。読者の皆さんにもあるでしょう。本気で成し遂げようと思っていれば、困難があっても試行錯誤し、壁にぶつかれば情報を集め、知恵をしぼり、汗をかいて頑張るはずです。
話を戻しますが、改善を進めるにはスキル・テクニックだけではなく、「本気度」「モチベーション」が必要です。
そして、メンバーの「本気度」を高めるのはマネジメントする側の「本気度」でしょう。
本気になってメンバーに業務改善の目的・意義を伝え、フォローしながらPDCAサイクル(注)を回してくことが不可欠です。
繰り返します。業務改善の成否を決めるのは、「業務改善を推進し、必ず成果を出すぞ!」という「メンバー」「管理者」「経営トップ」それぞれの階層での「本気度」「熱量」です!
(注)PDCAサイクル……Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(修正)の頭文字をとったもので、経営・事業・業務をスムーズに進めるためのマネジメントサイクル。
次回以降
- 担当者(スタッフ)の「本気度」「モチベーション」の高め方
- 組織的業務改善の進め方
について説明していきます。
次回は2月16日(木)更新予定です。
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