第24回 日常生活で実践する業務改善 ~来年の年賀状は“楽に”、“楽しく”準備しよう~

当コラムでは繰り返し述べてきた業務改善ですが、これはビジネスのシーンだけでなく日常の生活においても大きな効果を発揮します。生活を「楽しく」「楽ちん」なものにしてくれるはずです。

日常生活で実践する業務改善 ~来年の年賀状は“楽に”、“楽しく”準備しよう~

新しい年を迎え、早いもので1カ月が経とうとしています。皆さまは、どのような年末年始を過ごされたことでしょうか。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

当コラムでは、業務改善、働き方改革についてビジネスのシーンを想定して繰り返し述べてきました。しかし、その業務改善は、ビジネスだけでなく、日常生活(プライベートライフ)でも有効です。
今回は、業務改善の考え方で「生活を“楽”にする」というテーマで書いていきたいと思います。

業務改善をテーマにしたコンサルティングや研修を行う際、私は一番初めに「業務改善は仕事を“楽”にします!」と話します。

“楽”にします、の「楽」という文字には「楽ちんに」と「楽しい」という二つの意味を込めています。
「楽ちん」は、仕事を手間なく、簡単に、するという意味です。
そして、「楽しい」は、ストレスなく、気持ちよく、快適に、という意味です。

このような業務改善の考え方、手法を生活に活かさない手はありません。今回のコラムを読まれた後、「よし、生活でやってみよう!」と思ってくださる方がいたらとても嬉しいです。

日常生活で使うメリットは何か? 仕事と生活における業務改善の違いを知る

日常生活で業務改善を実践することと、ビジネスで行うことの違いを下表で整理しました。

図表 仕事と生活における業務改善の違い

どうですか? 仕事で行うよりも取り組みやすいと思いませんか? やってみようと思いませんか?
業務改善で、生活が“楽”になるだけで良いと思います。業務改善の面白さ、効果、勘所(コツ)を体感し、仕事(ビジネス)で使うための練習にしても良いでしょう。
まずは小さなことから始めて「トライ&エラー」を繰り返してみるのがおすすめです。

(実践例)年賀状作成を“楽”にする

私は、日常生活のさまざまなシーンで“改善活動”を行っているのですが、その中で、最近の小さな事例を紹介します。年末年始の年賀状に関することを“楽”にする、というものです。
お正月に、お世話になっている方や友人から届いた年賀状を眺める。お節料理をつまみ、アルコールを飲みながら、しばらく会っていない人たちの顔を思い浮かべ、近況を知るのはお正月の楽しみの一つでしょう。
しかし、出す立場で考えてみると、年末の忙しい時期に年賀状の準備に追われて苦労している方も少なくないでしょう。私も、まさに、その一人です。
私が年賀状の準備を始めるとき、毎年一番初めにすることは、過去数年分の備忘録を読み返すことです。これは、年賀状に関して私が考えたこと、反省などを書き記したものです。
これらを読むと、年賀状作成の負担、労力を減らすことができます。書き損じハガキを減らすこともできます(まさにコスト削減!ですね)。

まず、おととし(2017年の年賀状の準備を終えた後に)書いたものを紹介します。
記載日は「2016/12/25, Sun 16:51」とありました。

  • 2016年分の住所録(筆自慢)は、デスクトップPCで行っていた
    →新しいノートPCに筆自慢はインストールされていない→要対応
  • 今年(2016年、平成二十八年)に喪中ハガキを頂いた人の記録
    →**さん、**さん、****子さん、**さん、**、**君
  • **から名古屋へ転勤した連絡あり。住所更新を行う
  • ビジネス年賀状のために、相手の転勤、異動、昇進などによる肩書変更は早めに行う
  • 住所録をA4で出力し、紙上でチェックしてから印刷すること

そして、今年(2018年)、1月8日に私が書いたものは以下のとおりです。

  • 仕事用の年賀状に「***」の記載が漏れていた。大失敗。
    ネット印刷の自由テキストの編集に戸惑った。ギリギリに慌てて発注しなければ防げたこと!!
  • プライベートと仕事用の住所リストの一元管理を行うこと(ここ数年の課題。1月中に行う)
  • 個別メッセージをボールペンでインクジェットハガキに書くと字が滑る感じで、きれいに書けない。
    細字マーカーを使ったら良かった。「UNI PROCKEY」(水性顔料マーカー)を使用
  • 子どもたちの年賀状は次回から全て自分たちでやらせる。デザイン作成、プリンター設定、印刷まで全て
  • 年賀状がプライベート、仕事用共にかなり余った
    →購入前に試算した数、年内に出した枚数、頂いてから出した枚数、印刷ミスを記しておく。足りないのは困るけれど余り過ぎもまずい

これを印刷したものを今年の年賀状の束に挟みました。そして、PCにファイルで残した後、今年の12月1日、15日、20日に自分宛てにリマインドメールが届くように設定しました。

備忘録は、未来の自分への申し送り

備忘録は、「未来の自分への申し送り」だと考えています。何か作業をする際に、“楽に”できますようにという気持ちを込めた「ギフト」かもしれません。

年賀状以外にも、折に触れて備忘録を残します。時間が経つと失敗や反省を忘れてしまうような、頻繁には行わないけれど大切なこと。例えば、家族旅行、長距離ドライブ、家族のイベント(子どもの入学式、卒業式)、趣味のこと……などなど。
年賀状以外で最近書いたものは、「クリスマス」「大掃除」「お年玉」などです。

頻繁に行わないけれど、大切なことを仕事で考えれば、年に一度の年末調整や、採用活動、定期異動にまつわる業務などでしょうか。

義務感ではなく、改善、工夫が楽しい

このような話をすると、「日常でも改善を行っているんですか。すごいですね!」「たいへんですね」と言ってくださる方がいます。でも、義務感でやっているわけではありません。もともと、面倒なことが嫌いで、怠け者だから少しでも楽をしたいのです。そのために、ちょっとした工夫をすることが好きで、その効果を感じると嬉しくなるのです。

皆さんも、生活の中で“楽”にしたいこと、解決したい問題などがあることでしょう。備忘録だけでなく、チェックリストや手順書の作成、誰かに任せる、100円ショップでの便利グッズの購入など、方法はいろいろあります。

ぜひ、ちょっとした工夫など簡単な改善から始めてみてください。
生活が楽しく、楽ちんになるはずです!

(おまけ)
我が家のダイニングテーブル脇の壁に貼ってあるチェックリストです。4、5年前に息子たちのために作ったものです。目的は、夕食前の妻のイライラ(?)を解消したかったからです……。

次回は2月15日(木)更新予定です。

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この記事の著者

ワークデザイン研究所 代表

太期 健三郎(だいご けんざぶろう)

ビジネス書作家/経営コンサルタント。
得意とする専門領域は、HRM(人材マネジメント)、人事・総務部門の業務改善。
三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスを経て、現職。グロービスではグループ管理本部でコンプライアンスおよびリスクマネジメントを統括し、ミスミでは全国13カ所の営業所、コールセンターの業務改善や、三枝匡社長(当時)の直轄タスクフォースで営業改革などを行う。
また、2013年~2015年にはクライアント企業であった食品メーカーの人事部長を兼務する。
神奈川県横浜市出身。著書『ビジネス思考が身につく本』(明日香出版社)。
ワークデザイン研究所

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