第18回 モレなく改善策を考えられる! フレームワーク「7つの改善手法」

業務改善を進める時、改善策が頭に浮かぶ。「おっ、効果ありそうだぞ!」と飛びついてすぐに実行しようとする。こんなことはありませんか? しかし、頭に浮かんだものは多くの改善策の一つに過ぎません。そんなとき、有効なのが「7つの改善手法」というフレームワークです。これを使うと改善策を“ほぼ”モレなく洗い出し、検討することができます。

モレなく改善策を考えられる! フレームワーク「7つの改善手法」

業務改善を行う時、改善アイデアが思い浮かび、すぐにそれに飛びついて実行しようとすることはありませんか?
例えば、

  • 何かのミスをしてしまった→チェックリストを作ろう!
  • 社員から回収する書類に記入ミス、モレが多い→フォーマットを見直そう!
  • 同じ仕事でも人によってバラツキがある→マニュアルを作ろう!

フレームワーク「7つの改善手法」

どの方法も効果のある改善策かもしれません。しかし、改善策はこれら一つだけではないでしょう。他の改善策を考えて比較検討のうえで実行すべきでしょう。複数の改善策を一緒に行う「合わせ技」が有効な場合もあります。

そんな時に有効なフレームワークが「7つの改善手法」(下図)です。これは、さまざまな改善方法を「仕事を変える」「人を変える/人が変わる」「ITを活用する」「モノを見直す」「管理を変える」「フォーマット(帳票)を見直す」「組織を変える」の7つの視点で考えるものです。

このフレームワークで考えると、改善手法の視点のモレや偏りをチェックすることができます。

分類別(視点別)「改善手法一覧表」の活用

ほとんどの改善手法は「7つの視点」に分類することができます。下に、7つの視点別「改善手法一覧表」を掲載します。改善アイデアを出す際に便利なので活用してみてください。

改善手法の7分類

分類改善手法(例示)
1.仕事を変える
  • 仕事の手順、手法を変える
  • 仕事の前工程、後工程を見直す
  • 過剰品質、過剰チェックの適正化  など
2.人を変える
  • 人の意識、スキルアップ(採用、教育・研修など)
  • スタッフの多能工化
  • 担当の見直し(スキル、適性などによる適材適所)  など
3.ITを活用する
  • システム化、見直し(自動化、省力化、集中管理、一括処理)
  • インターネット、パソコン、各種ソフトの活用
  • OA機器の活用   など
4.モノを見直す
  • 業務環境の整備、改善
  • レイアウト変更、座席変更
  • 備品、什器の購入、リプレース※大きな「モノ」から小さな「モノ」まで  など
5.管理を変える
  • 各種管理の見直し(人事管理、労務管理、業務管理、その他)
  • チェック、承認ルールの見直し
  • 文書の保管方法、ルールの見直し  など
6.フォーマットを見直す
  • 各種書類、帳票、メール等のフォーマット・項目の見直し、統一
  • 項目の見直し(追加、削除、統一)   など
7.組織を変える
  • 組織の見直し(形態、指示命令系統)
  • 役割分担、適材適所
  • 組織、職場風土の改善(良い風土の醸成)
  • コミュニケーションの円滑化、活性化
  • 会議運営の見直し など

例えば、次のような場面で改善を考えるとします。

  • 給与計算ミスを減らすには?
  • ノートPC紛失で個人情報が漏洩しそうになりヒヤリとした。再発防止策は?
  • 新しく人が配属されるたびに同じことを教える時間を減らすには?
  • ムダな会議が多い。また、会議で決められたことが周知徹底されない。これらを解消したい。

改善策を分類表に照らしながら考えてみてください。おそらく、分類表がない時よりもたくさんのアイデアがスムーズに出てくると思います。

このコラムでは、(1)「改善策を洗い出す」→(2)「改善策の優先順位をつける」→(3)「実行する」というプロセスを何度か説明してきましたが、今回の「7つの改善手法」は、(1)「改善策を洗い出す」のステップで有効なフレームワークです。ぜひ、実際に使ってみてください。

次回は7月6日(木)更新予定です。

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この記事の著者

太期 健三郎

ワークデザイン研究所 代表
石山社会保険労務管理事務所 パートナー・コンサルタント

経営コンサルタント。
管理間接部門の業務改善、HRM(人材マネジメント)の二本の専門領域を持つことを強みとする。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスに勤務後、2008年にワークデザイン研究所を設立。
MURCでは人事コンサルティング、ミスミではコールセンターの業務改善を行った後、三枝匡社長(当時)の直轄タスクフォースで営業改革を推進する。グロービスではコンプライアンスおよびリスクマネジメントを統括、推進。
また、2013年~2015年にはクライアント企業の食品メーカーの内部改革者として人事部長・経営改革室長を兼務する。
「患者様の声をよく聴き、丁寧に診断・治療する“中小企業のかかりつけ医”」を信条としている。
ワークデザイン研究所
石山社会保険労務管理事務所

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