第33回 業務改善を大げさに考えず、小さなことから始めてみませんか?

業務改善の話をすると「大変そう」「うちでは難しい」という声をときどき耳にします。業務改善には取り組む規模も取り組み方もさまざまなものがあります。大げさに考えず、まずは小さなことから始めてみませんか。

業務改善を大げさに考えず、小さなことから始めてみませんか?

この連載では、業務改善についてさまざまなことを書いてきました。

業務改善という言葉を聞くと、「大変そう」「うちでは時間も人も足りなくて難しい」「日々の業務が忙しくてそんな余裕はありません」なんて思う読者もいるかもしれません。私がクライアント企業を訪問すると、同様の声を聞くことも少なくありません。業務改善への先入観、やらず嫌いのようなものを感じます。

「業務改善をあまり大げさに考えず、ちょっとしたことから始めてみませんか?」
今回はそんなお話です。

業務改善といっても、実施する規模や取り組み方法はさまざまです。大きな取り組みの例としては、全社で取り組む「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や、「RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)」、そして、その前提となる業務分析などがあるでしょう。小さな取り組みとしては、部門内の業務の見直し、個人で行う仕事のちょっとした工夫などがあります。

そもそも業務改善とは?

いまさらの話ですが、そもそも業務改善とは何でしょう。言葉どおりに捉えれば「業務を改めて良くする」、または「業務を良く改める」ことであり、その効果として「仕事の生産性」が高まります。仕事の生産性は、仕事に投入する「インプット」に対する仕事の成果としての「アウトプット」の割合です(図表)。インプットは仕事に投入するコスト(お金、労力、時間)、アウトプットは仕事の成果(量と質)で考えます。

業務改善による効果を、日常業務でシンプルに考えてみましょう。

  • 同じ仕事を、少ないコストで行う
  • 同じコストで、たくさんの仕事を行う。同じコストで、仕事の出来栄えを良くする。
  • 昨日できなかったことをできるようにする
  • 仕事のミスを減らす
  • 仕事を、気持ちよく、ストレスなくできるようにする

などなど。

こんなふうに考えてみると、業務改善へのハードルが少し下がりませんか?

例えば、以下のような行動は立派な改善活動です

  • WordやExcelなどのアプリケーションで今まで使ったことのない機能を使ってみる
  • 今の帳票やフォーマットを見直してみる
  • 日々行っている仕事の“コツ”をネットで検索してみる。例えば、「ファイリング コツ」、「給与計算 ミス防止」
  • ちょっと“気分が上がる”文房具を買ってみる

少し違った視点で考えると、

  • 出社したら明るく元気にあいさつをする
  • 職場で機嫌よく仕事をする

このようなことも、手間も費用も掛からずに自分も周囲も生産性が高まる業務改善です。特に組織の長が意識して実行すれば大きな効果が生まれます。仏頂面で不機嫌そうなオーラを出している上司と、機嫌よく仕事をしている上司とを思い浮かべればお分かりでしょう。

小さく始め、長く続け、大きく広げる

もし、業務改善を「大変そうだ」と思い、やらず嫌いの方がいましたら、業務改善を大げさに考えずに、まずは簡単にできそうなことから気軽に始めてみませんか。そして、小さな効果を体感しながら、少しずつ活動の範囲を広げたり、レベルを上げたりしてみてください。

千里の道も一歩から。そして、継続は力なり。です。

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この記事の著者

太期 健三郎

ワークデザイン研究所 代表
石山社会保険労務管理事務所 パートナー・コンサルタント

経営コンサルタント。
管理間接部門の業務改善、HRM(人材マネジメント)の二本の専門領域を持つことを強みとする。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスに勤務後、2008年にワークデザイン研究所を設立。
MURCでは人事コンサルティング、ミスミではコールセンターの業務改善を行った後、三枝匡社長(当時)の直轄タスクフォースで営業改革を推進する。グロービスではコンプライアンスおよびリスクマネジメントを統括、推進。
また、2013年~2015年にはクライアント企業の食品メーカーの内部改革者として人事部長・経営改革室長を兼務する。
「患者様の声をよく聴き、丁寧に診断・治療する“中小企業のかかりつけ医”」を信条としている。
ワークデザイン研究所
石山社会保険労務管理事務所

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