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ApaRevo 活用コラム
アパレル業で申請可能な補助金について
2025年 9月18日公開
今回は、アパレル業で申請可能な補助金についてご紹介します。
アパレル業で申請可能な補助金について
株式会社大塚商会
首都圏ソリューショングループ
ASCアパレル・旅行SPソリューション課
土橋 道晴
アパレル業のお客様では、基幹システム以外にも店舗のPOSシステム、取引先とのEOSシステム、ECサイト、倉庫WMSシステム、ネットワークシステムなど、多くの情報システムを導入しているケースがあります。また近年は法律や仕組みの変更に伴い、電子帳簿、電子手形、セキュリティ対策など、新しい情報システムを導入せざるを得ないケースも増えてきています。
ところが自社の業況が厳しいため、なかなか情報システムへの投資ができず、システムの刷新ができない、新規導入ができない、そんなお客様もいるかと思います。そのような時、補助金を活用することで、投資額を節約する方法があります。アパレル業で申請可能な補助金をピックアップしてみました。参考にしていただければと思います。補助金を賢く活用し、自社の情報化を実現しましょう。
このコラムでは各種補助金の簡単な紹介にとどめますので、補助金の詳細を知りたい方は、大塚商会ホームページにてご確認ください(「補助金」で検索お願いします)。また次年度以降、補助金の内容が変更になる可能性もありますので、ご注意願いします。
1. IT導入補助金
中小企業・小規模事業者が新たに生産性向上や業務効率化に貢献するITツールを導入する際、経費の一部を補助する形です。また、セキュリティ対策やデジタル化に取り組む場合には、高い補助率で支援を受けることができます。ITツール自体だけでなく、オプション、導入関連費用(役務)、サービス利用料(最大2年分)も対象となります。近年のクラウド化に対応しているのもありがたいですね。
IT導入補助金自体は2025年度以降も継続する可能性が高いですが、公募期間があり、その間に応募し採択される流れになります。タイミングを逃してしまいますと、導入したい時期に合わせて導入することができなくなってしまうので注意が必要です。また、対象となる企業、対象となるITツールなど規定がありますので、ご注意ください。
2. 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者を対象とした補助金です。商業・サービス業の場合は、常時使用する従業員の数は5人以下が対象となります。販路開拓を支援する取組で、経費の一部を補助します。このためウェブサイト関連費用、開発費、旅費、借料なども対象となります。情報システム化投資も対象となる可能性はありますが、PCや車など汎用(はんよう)性が高いものは対象外となるなど、判断が難しい部分があります。
3. 事業再構築補助金
中小企業などの思い切った事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を促すことを目的とした補助金です。成長分野進出枠、コロナ回復加速化枠、サプライチェーン強靱化(きょうじんか)枠などがあります。成長分野進出枠の通常類型(従業員21人~50人)で補助上限3,000万円、補助率1/3(中堅企業の場合)など、情報システムを対象とする場合、利用価値が高い枠の設定となっています。
ただ面倒な点として、事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受ける必要があります。合理的で説得力のある事業計画が必要です。また、3,000万円を超える案件については、金融機関の確認を受ける必要があります。こちらも公募期間がありますので、事業再構築補助金の申し込みをする場合は、公募情報をこまめに確認する必要があります。
4. ものづくり補助金
正式名称は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で決して製造業を対象とした補助金ではありません。中小企業・小規模事業者などが取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資などを支援するものです。対象となる企業は、卸売業の場合は資本金1億円以下、従業員100人以下の企業となります。
付加価値の増加、給与支給総額の増加、最低賃金の引き上げを含む3~5年の事業計画を策定します。事業計画が採択されますと、省力化枠の場合、従業員数21~50人の企業で最大3,000万、補助率は中小企業で1/2の補助金が支給されます(1,500万円を超えた部分は1/3)。また補助申請額が一定以上の場合は、書面審査だけでなく、口頭審査も必要となります。
対象となる業種や設定されている申請枠に応じて、さまざまな条件が設定されていますので、申請を検討する場合は、詳細な確認をお願いします。
[SE]2025年9月18日