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第11回 営業教育の実態…実のない営業教育
【一般的に営業社員のレベルアップに必要な施策】
- 上司による日常の営業指導
- 外部教育会社による商談や提案などの営業力教育
- マーケティング知識やロジカルシンキング、計画管理などの基礎教育
- 情報やナレッジ共有によるレベルアップ促進
皆様の会社ではすべて進めているでしょうか?
この4つのうち、
【1】と【2】はダイレクトに営業活動にいかし、営業成果に反映させるもので、【3】と【4】は中長期的な視点で底上げするものです。
【1】については次回から営業マネジメントというテーマでお話しするとして、今回が【2】の外部教育会社による商談や提案などの営業力教育についてお話しさせていただきます。
私は仕事柄、様々な企業の営業責任者の方や教育を担当されている方とお話をする機会が多いのですが、以下でお話しする状況が非常に多い。
皆さんの会社はいかがでしょうか?
~ 営業教育の実態 ・・・目的のない営業教育 ~
- 外部にお金を払って教育してもらう
しかし、その評価は受講人数や受講回数 - 教育担当者との会話
「教育を受けて、どのくらい売上が上がりますか?」
教育担当者Aさん「すぐに成果が出るものではない、継続してやることが大切」
「では、どのくらいの期間で営業成果が現れると思いますか?」
教育担当者Aさん「わからない、営業のスキルアップは難しいからね・・・」 - 営業責任者やマネージャーの意識
「営業教育は必要」・・・でも、現場優先で積極的に促進しようとしない
会社によっては、「会社の施策だからしょうがない」といって受講させている - 受講者(営業社員)と上司の会話
(研修後・・・)
営業社員Bさん「勉強になった、ためになった」
(1週間後・・・)
上司Cさん「研修内容を実践できた?」
営業社員Bさん「なかなか実践できる場面がなかった」
(1か月後・・・)
営業社員Bさん・・・研修内容を忘れている
この実態に対して、お金を払っている・・・
そもそも、営業教育の目的は受講させることでしょうか?
営業教育は、営業社員のスキルアップを実現し売上を上げるためのものです。
それなのに、営業教育の評価は「受講人数や回数」
営業教育の目的であり効果である「売上や案件数などの営業成果」に関しては明確でないどころか、わからないまま進めています。
そのため・・・
受講者も「受講しろと言われたから」「お勉強」という意識で受講している
営業成果を期待していないので、営業マネージャーや営業社員が積極的にならない
なぜでしょう?
~ 実のある営業教育とは ・・・実践させ売上を上げる営業教育 ~
本来、商品説明や顧客とのコミュニケーションの取り方、ヒアリングや提案などの教育は、先に述べたように即実践するための教育であり、営業成果に反映させるためのものです。
その営業教育を実現するためには、四つのポイントがあります。
- 営業教育の目的と評価を営業成果とする
- 実際の顧客と商品を題材にした研修
- 一般的な理論でなく、実践での「やり方」まで落とし込んだ研修
- 研修内容に即した継続的な実践指導
教育された内容を実践し、営業成果に反映させるためには、当然、営業教育の目的と評価を「受講人数・回数」から「営業成果」に変えなければなりません。
しかし、一般論による研修では翌日に実践できず、成果を上げることは不可能です。
翌日に実践できる内容の研修でなければなりません。
では、翌日に実践できる内容の営業研修とはどのようなものか?
まずは、実際に営業する顧客と商品を題材にした内容の研修であること。
そして、実際の営業シーンで使える「やり方」の研修。
この2つが必要です。
ロールプレイングでヒアリングの練習をさせているケースをよく見受けますが、そんなに顧客はきちんと答えてくれない
・・・と思うことが多い。その結果、実践では使えない。
また、1~2日の研修や1~2回実践しただけでは、スキルが定着しません。
理解した内容を定着させる施策が必要です。
つまり、日常の営業活動の中での継続的な実践指導と実践できているか?成果に反映できているか?をチェックする基準と環境が必要です。
このような研修や指導であれば、営業成果で評価ができるのです。
つまり、研修を受講し、指導を受け、営業成果がどのように変わったか・・・
営業教育の「実」は売上や案件数などの営業成果です。
そして、営業成果を上げるための教育が営業社員のレベルを上げるのです。
なぜなら、営業力は営業成果を上げようとする努力の中で身に付くものだからです。
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次回は11月7日の更新予定です。
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