第92回 「初回訪問だから自分を知ってもらうことが大切」は大きな間違い

初回訪問で一生懸命に会社や商品をアピール。そして「今は検討できないけれど、来期は検討したい」……このほとんどが案件にならずに、消えてなくなっています。初回訪問では自分(会社や商品)を理解してもらうことでなく、相手(顧客)を理解し、相手の悩みを共有することが大切です。今回は新規開拓営業の初回訪問についてお話しします。

「初回訪問だから自分を知ってもらうことが大切」は大きな間違い

メールや電話で一生懸命アプローチして多くの顧客に訪問。
しかし、提案できない、案件にならない、そのうち訪問もできなくなる……。

時間と費用をかけてアプローチしたのにもったいない……。

営業担当の初回訪問事例

飲食店情報サイトの営業担当Aさんが初めてのお客さんを訪問しました。
相手はステーキ・ハンバーグのチェーン店を経営する外食業界。

営業担当Aさんはあいさつの後、
「当社の飲食店情報サイト○○をご説明させていただきます」
「○○はここ数年で会員数が100万人まで増えました。というのも大手プロバイダーと提携して……」
「掲載店舗数も現在10万店まで増えてきました」
「掲載店舗へ誘導する手段としては、口コミのほかに当社独自の□□という仕組みを取り入れていまして、その結果、掲載店舗の来店者数が……」

お客さん
「そんなに会員数が多かったんですね」
「確かに、御社独自の□□という仕組みは来店者も増えそうですね」
と反応良し。

Aさん
「そうなんです。新規の来店者が増えたって喜んでもらっていまして」
「また、来月からテレビCMも放映しますので、会員数はさらに増えると思います」

お客さん
「そうなんですか、当社も今年は出店を増やしていますので、プロモーションには力を入れていて」

Aさん
「当社のサイトに掲載していただきますと、新店の来店者数も増えると思いますがいかがでしょうか?」

お客さん
「今は、他社の△△に掲載していて効果が出ていますので、すぐに掲載は難しいと思います。
ただ、プロモーション施策を見直すときには検討させていただきます」

Aさん
「ありがとうございます。その際にはぜひお声がけください」
「また、定期的に訪問させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします」

お客さん
「そうですね、定期的にお越しください」

Aさんは、会社に戻って上司に報告。
「今は検討できないようですけれど、興味を持ってくれていますので、定期的に訪問して関係を作って、お客さんが次に検討するときに提案します」

そして、
一カ月後にキャンペーンを企画したので説明しに訪問。

二カ月後の営業会議……

Aさん
「訪問するネタがなくてお客さんに連絡できていません」
「紹介するものがなくて……」

上司
「見込みのあるお客さんなんだから訪問しないと」
「他社サイト△△の状況を教えてくださいって言ってアポイントを取ってみたら?」

翌月の営業会議……

上司
「あのお客さんどうなった?」

Aさん
「連絡がつかなくなってしまいまして」
「何度も電話したんですけど出てくれませんし、メールしても返信がなくて」

ここで問題です。

Aさんは、
なぜ、定期的に訪問できなくなってしまったのでしょうか?
なぜ、連絡がつかなくなってしまったのでしょうか?

初回訪問のときに「定期的にお越しください」って言っていたのに……。

Aさんが初回訪問で行ったことは、「初めての面談だから自分を知ってもらうことが大切」と考え、一生懸命に飲食店情報サイト○○を説明していました。
その結果、お客さんに飲食店情報サイト○○の会員数や特徴、仕組みなどを理解してもらい、興味を持ってもらいました。

しかし、お客さんのことは、

  • 出店を増やしプロモーションに力を入れている
  • 他社の△△に掲載していて効果が出ている

ぐらい……。

重要なのは顧客の課題を把握すること

Aさんの問題
「知っていることは話せる、でも知らなければ話せない」

Aさんは、お客さんのことを知りませんので、できることは自分の説明だけ。つまり商品やキャンペーンの紹介だけ。
当然、ネタは切れます。

お客さんのことをもっと知っていたら、お客さんとって参考になる情報を探すことができたかもしれません。
しかし、お客さんのことを知らなければ、当然、何が参考になるか分かりません……。

また、お客さんの戦略やミッション、課題について会話していれば、

  • 解決策を考え提案やアドバイスができたかもしれない
  • お客さんにとって課題(悩み)を理解してくれる人として関係も築けたかもしれない

新規開拓営業の初回訪問で大切なことは、商品に興味を持ってもらうことよりも、顧客の戦略やミッション、課題について会話し共有することです。

「初めての面談だから自分を知ってもらうことが大切」という誤った考えにより、初回訪問で一生懸命に自分の会社や商品をPRしている営業が多く見受けられます。

その結果、提案もできない、定期的に訪問できない、顧客と関係も作れない……。

顧客の課題を把握すれば、さまざまなことが提案でき、可能性は広がるのです。

初回訪問で大切なことは、自分を理解させることではなく、相手を理解することです。
そのためには、顧客の戦略やミッションについて会話しましょう。

初回訪問で戦略やミッションを共有する方法は……
「営業のアドバイス」個人・法人会員サービス

次回は1月18日(月)更新予定です。

今月のクイズ(営業のクイズ)

顧客課題・提案内容の想定
あなたはセンサー機器の営業です。
今は需要が伸びているので新規開拓営業で取引先を増やそう!
……どうやってアプローチする?

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
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