第28回 売上を上げるための営業計画とは【1】…実行可能な営業計画

本コラムの第13回でお話ししましたが、営業計画とは、PDCAのC(検証)に対する指標です。

第13回 営業マネジメント ・・・売上UPを実現する目標と計画

この検証するための指標となる営業計画を策定するためには二つのポイントがあります。
■ 実行可能な(実現性のある)計画
■ 検証・修正できる計画

営業計画を見ていると上記二つが欠けていることが多い・・・
■ 上層部からの売上予算を各営業組織や個人に落としているだけ
■ 前年実績と顧客資産(既存顧客・見込み顧客)から「×○%」で検討するだけ
■ 商談件数、提案件数など数値計画はあるが根拠や施策のない、
または漠然としている計画
■ 課題と対策が漠然としている
■ 対策が販促施策やチャネル、人数・体制ばかりで、その他は個人任せ

その結果・・・
■ そもそも計画が実行できない
■ 計画を修正しながら目標達成を目指すことができない
■ 計画を立てても実行するための施策や環境がなく、目標を追えない
■ 目標達成が計画と関係なく個人依存、運依存
■ 営業社員が計画を意識しない

このような状況を多く見てきました。
皆さんの会社はいかがでしょうか?

~ 実行可能な営業計画とは ~

そもそも営業計画とは戦略とセットで考えるものです。
その戦略を考える前提として下記三つの分析(3C)が必要です。
■ 市場・顧客(Customer)・・・外部要因
■ 競合(Competitor)・・・外部要因
■ 自社資産・商品(Company)・・・内部要因

この3C分析は売上を上げるためにどのような営業を行うかを考えるための材料であり、ということは、決して営業企画等の企画部門だけが考えればよいものではなく各営業部門で考えなくてはいけないことであり、そして、部長、課長、営業担当者の各レイヤで考えなくてはならないのです。

しかし、現実はほとんどの営業組織で3C分析をやっていない・・・
実際に、営業研修で「3C分析をやったことがある人?」と聞くと
3C分析をやったことがあるどころか、3C分析を知らない人も多い・・・

これは、日常の営業活動で感じている顧客や競合、自社のことを頭の中だけで考え、きちんと情報を洗い出し整理し分析していないということです。
その結果、戦略や戦術に活かせていないのです。

~ 実行可能な戦略 ~

戦略とはこの3Cを分析し、最低限下記項目を検討する必要があります。

■ どのようなターゲットに? ・・・これはほとんど考えているでしょう
■ どのようなアプローチ先に? ・・・意外とこれがもれていることが多い
■ どのようなアプローチを? ・・・これはほとんど考えているでしょう
■ どのような商談・提案を? ・・・これは個人任せになっていることが多い

当然、顧客ごとに商談や提案をかえなくてはなりません。
ただ、この組織としての戦略がないと、顧客ごとに考えるしかなく営業社員の活動が個別的、場当たり的になり、
検証できない、経験に依存するしかないという状況になってしまいます。

そして、この戦略を実行するための自社資産の不足を洗い出し対策を立てる・・・
ほとんどの営業組織で検討する必要のある資産と対策は下記のとおりです。

■ 体制・人員・チャネル ・・・これはほとんどの営業組織で考えている
■ 営業社員のスキル ・・・これはマネージャー任せ、できる人任せになっている
■ 社内の連携 ・・・これはほとんどの営業組織で考えている
■ 環境面の整備 ・・・これは考えきれていない営業組織が多い
■ 販促施策 ・・・これは販促部門等他部門依存になっていることが多い
■ 営業ツール ・・・これは販促部門等他部門依存になっている

これらはすべて営業計画に影響を及ぼすものです。
ということは、営業戦略や計画を考える際に必ず考えなくてはならないことです。

多くの営業組織を見てきて、特に欠けているものは
■ 営業社員のスキル
■ 環境面の整備
■ 営業ツール

営業社員のスキルに関しては、
「全体的スキル課題」と「個別的スキル課題」に分けて課題を整理し対策を立てなければなりません。
「全体的スキル課題」は、戦略、戦術に対する組織の全体的な傾向であり、本来、営業研修やしくみなどで補完しなくてはいけないものです。
また、「個別的スキル課題」は内容によって異なりますが、個人で勉強させるか、上司や先輩が指導・サポートし補う必要があります。

環境面に関しては、影響する要因をすべて洗い出し対策を立てる・・・
営業という仕事は多種多様な要因が絡んできます。
どれだけ洗い出し、対策を立てられるかに実行できるか否かがかかっています。

営業ツールは、営業を保管したり、実践を促進するものです。
つまり、営業ツールによって営業のやり方、やり易さが変わってきます。
戦略に営業ツールが合っているかを考えなければなりません。

これら「3C」以下の13項目を踏まえて数値計画に落とし込むことで、実行可能な営業計画が作成できるのです。

「そもそも上司に提出しないといけないから作っている」、
しばらく経つと「忘れている」、「実態とかけ離れて追えない」
と、意味のない営業計画になってしまっているケースが多く見受けられます。
ぜひご参考にしていただければ幸いです。

次回は4月2日(水)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

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