第57回 売上目標の達成が難しいときは過去の財産を活用する

売上目標まであと少しというときは頑張って達成しようとするが、かけ離れてしまうと追えなくなる……。目の前の可能性の低い案件にすがるしかなくなる……。営業は多くの情報や人といった財産を蓄積する仕事。その財産を使って売り上げを上げる仕事です。今回は過去に蓄積した情報や人を活用して売上目標を達成する営業についてのお話です。

売上目標の達成が難しいときは過去の財産を活用する

売上目標まであと少しというときは頑張って達成しようとする……。
しかし、かけ離れてしまうと目標を追えなくなる……。

目標とかけ離れてしまったときにあきらめていませんか?

ある営業会議のシーン

営業担当Aさんの状況

現在1月で期末まであと3カ月だけど1億円の売上目標まであと3,000万円足りない……
(確度の高い見込案件)
○○社の1,000万円、△△社の500万円
(確度の低い見込案件)
□□社の1,000万円、××社の500万円、◇◇社の500万円

マネージャーBさん
「○○社と△△社を獲得しても8,500万円、1,500万円足りないだろう」
「どうするんだ?」

営業担当Aさん
「□□社を獲得できれば、あと500万円なので」

マネージャーBさん
「この間、□□社は今期の予算をとれないので難しいって言っていたじゃないか」

営業担当Aさん
「でも、□□社をとらないと目標いかないので」

マネージャーBさん
「そりゃそうだけど、□□社はとれるの?」

営業担当Aさん
「もう1回提案してきます」
「予算をとれないと言われているので値引きできませんか?」

マネージャーBさん
「値引きしたら受注できるの?」

営業担当Aさん
「……分かりません」
「ただ、□□社を受注しないと売上目標を達成できないので」

マネージャーBさん
「しょうがないな……、800万円まで値引きしていいよ」
「あと3カ月あるから必ず目標の1億円は達成しろよ」

営業担当Aさん
「はい」

営業会議をみているとこのようなシーンが多い……。
そして、このようなケースのほとんどが売上目標未達成です。

確かに、営業において難しくても売上目標をあきらめないことは大切です。
そのために、確度の低い見込案件を見直しどうしたら受注を獲得できるかを考えることも大切です。

しかし、マネージャーBさんの「あと3カ月あるから必ず目標の1億円は達成しろよ」に対し、Aさんは「はい」と答えていますが……。
今期は予算をとれないと言われている案件に対して値引きして再提案するという対策は、目標達成を目指していると言えるのでしょうか? 達成できると思っているのでしょうか?

Aさんの□□社に再度提案するという対策は、目標をあきらめていないのではなく気休めです。

売上目標の達成が難しいときに大切なことがあります。
それは、過去の財産を振り返り活用することです。

営業活動を続けているとさまざまな財産が蓄積されています。

顧客と商談や打ち合わせで会話をしているとさまざまな情報が蓄積されます。
営業活動の中では多くの人と面談しています。

皆さんは、1年間で顧客とどれだけの時間を会話しているでしょうか?
皆さんは、今まで仕事で何人の人と会っているでしょうか?

一度、数えてみてください。
営業活動を続けていると、多くの時間を顧客との会話に費やし、会話した分だけさまざまな情報を聞いていることでしょう。
そして、商談や提案、打ち合わせなどさまざまな営業活動で多くの人に会っていることでしょう。

この多くの時間で得られた情報、仕事の中で会った多くの人は苦労して営業活動を続けてきた財産です。

しかし、これらの財産のほとんどが、

  • 関係ない、仕事にならない情報として流している
  • 手帳や自分の頭の中に埋もれている
  • 会っても意味ない人、会えない人と思い流している
  • 名刺や人の情報が整理されていないため活用できない

つまり、今まで苦労して得た情報や会った人という財産のほとんどを使っていないのです。
そして、覚えている情報や人、目先の情報や人だけで売り上げを上げようとしている……。
その結果、確度(可能性)の低い案件にすがるしかなくなっている……。
もったいない……。

営業は経験を積むほど売り上げを上げられるようになる仕事です。

その理由は、能力だけではありません。
多くの商談や打ち合わせをこなし案件や売り上げにつながる情報が増えてくることです。
そして、さまざまな人に会い、アプローチできる人、利用できる人脈が増えてくることです。
つまり、経験するほど情報や人といった財産が蓄積されてくるから売り上げが上がるのです。

しかし、今まで苦労して得た情報や人などの財産のほとんどが埋もれてしまっていて活用されていません。
この情報や人といった財産は放っておくと陳腐化してしまいます。
定期的に振り返り、整理し、活用することで継続性を保つことができ有効に活用できるのです。

売り上げが上がっているときは、目の前の案件に一生懸命対応しないといけないでしょう。
売上目標の達成が難しくなったときこそ過去の財産を振り返り活用する良い機会です。

仮に、今期の売上目標が達成できなかったとしても、売上目標をあきらめずに過去の財産を活用しようとする活動が、来期以降の継続的かつ効率的な売上向上を実現するのです。

過去の財産を活用する方法は……
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次回は2月19日(月)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

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