第60回 顧客の経営課題を把握するためには身近なネタから会話する

戦略営業や課題解決型営業にとって顧客の経営課題や戦略を把握することは大切です。しかし、「聞けない」「教えてもらえない」と悩んでいる営業担当者は多いものです。今回は、身近なネタを使って経営課題や戦略を聞き出す方法についてご紹介します。

顧客の経営課題を把握するためには身近なネタから会話する

戦略営業や課題解決型営業、提案営業において顧客の経営課題や戦略をおさえることは大切です。
顧客の課題を把握するためにも、決裁者や予算対策にも、顧客との関係を強化するためにも必要なことです。

しかし、「うちの営業はお客さんの経営課題や戦略を把握しない」と悩んでいる上司、そして「聞けなかった」「聞いたけど教えてもらえなかった」と困っている営業担当者は多いものです。

なぜ、聞けないのでしょうか?
なぜ、教えてもらえないのでしょうか?

スマートフォンやタブレットなどモバイルの営業をしているAさんが食品メーカー○○社に訪問したときのことです。
食品メーカー○○社は国内向け営業部のためにモバイルの導入を考えているとのことでした。

上司から訪問前にアドバイスしてもらいました。
「○○社は、日本の本部と北米、ヨーロッパ、アジアの販売拠点の連携を強化するって経営課題に書いてあるから、海外事業部でも出張が増えていてモバイルのニーズがあるかもしれないよ」
「経営課題に書いてある海外拠点との販売連携の状況を聞いてみろ」

一通り商品説明をした後に……

営業担当Aさん
「中期経営計画を見たら北米、ヨーロッパ、アジアの販売拠点の連携を強化すると書いてあったのですが、各拠点間の販売連携を進めているんですか?」

顧客Bさん
「そうらしいですけど」

営業担当Aさん
「海外拠点に対する販売連携ってどんなことをされるんですか?」

顧客Bさん
「それが何か関係あるんですか?」

営業担当Aさん
「海外事業部の方や海外の販売拠点の方も出張が増えているのではと思って」

顧客Bさん
「モバイルを検討しているのは国内向け営業部のためなので関係ないと思いますが」
「それに、海外事業部のことは分かりません」

顧客Bさんは海外事業部のことを何も知らないのでしょうか?

詳しく知らなくても……

  • 海外の販売拠点の連携を強化しようとしていること
  • 海外事業部の人の出張が多いこと
  • 拠点間の情報を共有したり販売指導をしたりしていること
  • ……

全社の方針説明、部や課の会議、上司や同僚との飲み会で聞いたことぐらいあるでしょう。また、想像することぐらいできるでしょう。

でも「海外事業部のことは分かりません」と言われてしまいました。

Aさんは、なぜ教えてもらえなかったのでしょうか?

Aさんは、上司にアドバイスしてもらったとおり経営課題や戦略について聞こうとしました。しかし……

中期経営計画に書いてあったことを説明し、「各拠点間の販売連携を進めているんですか?」「販売連携ってどんなことをされるんですか?」と直接聞いています。
その結果、面談の用件である「国内向け営業部のためのモバイル」と関係ない話をいきなりされたという印象を持たれてしまいました。

また、「海外の販売拠点の連携を強化」「各拠点で販売連携」という具体性のない情報ばかりで顧客と会話しています。
その結果、表面的な印象を持たれてしまいました。

そして、総務担当者にとって「海外の販売拠点の連携を強化」「各拠点で販売連携」はあまり関係のない話であり、その関係のない、興味を持たれないネタから始めています。
その結果、会話が盛り上がらず終わってしまっていました。

経営課題や戦略について教えてもらいたいのであれば、四つのポイントを考え聞き出しましょう。

  • 質問ではなく、目的や用件を意識させない雑談というスタンス
  • 具体的に話せる身近なネタを使い会話する
  • 自分と相手が共通して盛り上がるネタから入る
  • 直接聞くのではなく、盛り上がるネタから経営課題に落とし込むストーリーを考える

「うちの営業は、スマートフォンの提案だから現場のコミュニケーションや通信コストは関係あるけど、顧客の経営課題は関係ないんです」と言う人がいますが、顧客と経営課題について会話し共有することにはさまざまなメリットがあります。

  • 顧客とさまざまなことについて会話する関係を作ることができる
  • 提案できる顧客の課題を考えることができる
  • 各部門の状況や課題、組織や決裁者、予算などさまざまな情報を収集できる
  • 顧客に「うちの会社をよく知っている人」と思ってもらうことができ、さまざまなことについて相談される

そして、一度、顧客と経営課題について会話し共有すれば、次回も共有した経営課題のネタを使ってさらに別の経営課題についての会話ができます。

営業にとって顧客の経営課題や戦略を把握することは大切です。

Aさんのケース以外にも……
「経営課題を教えてもらいたいのですが」と直接聞いて、「なんでそんなことを知りたいんですか?」と言われ教えてもらえなかったり……
「海外拠点の連携を進めているみたいですね」と雑談風に言ってみたら「そうですけれど、それが何か?」と反応が冷たかったり……
その結果、よけいに聞けなくなる……
と、経営課題や戦略について聞けない営業担当者はけっこう多いものです。

関係ができていない顧客、経営課題や戦略に直接関わっていない担当者には、単純に聞いても教えてもらいにくいものです。
経営課題や戦略を聞き出すためには、関係する身近なネタを考え、会話しましょう。

身近なネタを使って経営課題や戦略を聞き出す方法は……
法人営業のノウハウ・テクニックを提供する

「営業のアドバイス」個人・法人会員サービス

次回は5月21日(月)更新予定です。

お知らせ

セントリーディング営業ノウハウ提供サービス

さまざまな会社で蓄積した法人営業のノウハウやテクニック、テンプレートを提供しています。

「営業のアドバイス」個人・法人会員サービス

「営業ポータル」法人会員サービス

関連するページ・著者紹介

この記事のテーマと関連するページ

営業支援システムテンプレート

一件一件のお客様とじっくり商談を行う、案件攻略型営業スタイルにピッタリの営業支援システムです。詳細の案件情報管理によるステップを踏んだ戦略的営業スタイル、部門・担当者ごとの予実績管理による数字の組み立てなど、大塚商会の営業ノウハウの一端を組み込んだシステムです。営業力強化に取り組みたい企業におすすめです。

営業日報管理(Daily Report)テンプレート

「営業日報を手書きやExcelで管理しており、顧客ごとの商談が分からない」「訪問件数は多いが実績が上がらない」このようなお悩みをお持ちの方向けに、おすすめのシステムです。1日の営業日報を登録するだけで、顧客ごとの商談経緯を把握でき、効率化のポイントが分かります。ルート型営業に最適です。

この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

お問い合わせ・ご依頼はこちら

詳細についてはこちらからお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ

0120-369-877

受付時間
9:00~17:30(土日祝日および当社休業日を除く)
総合受付窓口
インサイドビジネスセンター

卸販売について

ページID:00145141