第59回 営業強化の一番の問題は経験と感性に依存していること

毎年、営業強化を考える……教育や指導、体制、情報管理……、しかし、変わらない、改善しない、定着しない……。営業強化の一番の問題点は経験と感性に依存していることです。経験や感性は強化・改善できません。今回は、来期を見据えた営業強化についてご紹介します。

営業強化の一番の問題は経験と感性に依存していること

「顧客の課題を聞きなさい」「予算や決裁者を聞きなさい」と指導してもやらない、できない。
営業管理システムを入れても、登録しない、共有しない、活用しない。
研修や教育しても定着しない、指導しても変わらない、直らない。

毎年、営業強化を考えるが、なかなか変わらない……営業強化は難しいものです。

なぜ、営業強化は難しいのでしょうか?

○○社にノートPCを提案していた営業担当Aさんが、上司Bさんに相談していました。

Aさん
「うちの商品の薄くて軽いという強みをアピールしたんですが、いまいち顧客の反応が悪くて……」
「競合商品の方が安いので負けてそうなんです」

Bさん
「このあいだ、○○社の同業の△△社に薄くて軽い方が良いと言って切り替えてもらったじゃない。カタログとか持ち歩く資料が多いのに、以前使っていたノートPCが重くて持ち歩かなくなってしまったという理由で」
「おそらく○○社も同業だからカタログとか持ち歩く資料は多いはずだよ」
「△△社の事例を説明した?」

Aさん
「していません」

Bさん
「総務の人だと営業のことを分かっていないケースも多いからちゃんと事例を説明しないと」

結局、Aさんが説得する自信がないと言うので上司のBさんが同行することになりました。

そして、顧客との商談で……

顧客
「うちの会社は営業社員に甘いんですよ。他社は、もっと厳しいのに……」

すると、上司Bさんは、
営業社員が持ち歩いている資料や移動手段や時間をヒアリングして……
「営業先は交通の便が悪いところが多くて電車での移動時間が長いし、カタログや資料も多くて大変ですよね」
「今でも荷物が重いと思っている営業社員に配布するノートPCが重いと感じさせたら持ち歩かなくなるのでは」
とヒアリングした内容を踏まえて説得しました。
しかし、△△社の事例を説明しませんでした。

商談を終えて帰りの電車の中で……

Aさん
「なんで、△△社の事例を話さなかったんですか?」

Bさん
「相手の担当者は、自分の会社の営業社員に不満を持っているから△△社の話をしても『他社は他社、うちはうち』って言われて逆効果になると思ったから」
そして……
「営業は相手のタイプや反応で変えないといけないんだよ」
「だから、相手をよく見てどう思っているかを感じないといけないんだ」

この後、Aさんは「薄くて軽いという強み」をアピールする力が身についたのでしょうか?
おそらく身についていないでしょう。

Aさんが分かったことは、

  • 似たような状況や課題を持つ顧客の事例を説明してアピールする
  • 顧客のタイプや反応によって変えなければいけないときもある、説明しない方がよいときもある

しかし、
顧客の状況や課題もさまざま……
顧客のタイプや反応もさまざま……

その結果、相手の反応にあわせてその場その場で考え対応するしかなくなる……
そのためには、感性が重要だと指導される……

「営業は感性が重要だ」という言葉を耳にします。

感性とはどうやって身につけるのでしょうか?

感性を身につけるためには、場数と経験が必要です。
見たことも経験したこともなければ感じることはできません。さまざまな場数を踏み経験を積むことでさまざまなことを感じ、感性が磨かれ身につくのです。

しかし、営業で必要な場数を踏むためには相当な期間が必要です。
果たして、さまざまな状況や課題の顧客、さまざまなタイプや反応の顧客に対する場数を踏むまでどのくらいかかるでしょうか? 場数を踏み営業力を身につけるまで待てるでしょうか?

そして、経験とは過去のものです。
変わっていく新しい市場や顧客、戦略や事業に過去のものである経験で対応できるでしょうか? 新しい戦略には、対応できる新しい力が必要です。

しかし、多くの営業社員が、やり方を教わり営業力を身につけてきたわけではなく、場数、経験で育っています。
会社に入社して、商品知識や会社の事、仕事の流れを一通り教わり、やり方がなく先輩と同行し「見て盗め」「見てまねをしろ」という教育。
その後、自分で場数を踏み経験を積み、前例のような上司や先輩の経験と感性に依存した指導を受け、育ってきています。

その結果、

  • 変化する市場や事業、戦略に対応できない
  • 新人や部下が育たない
  • 個人主義になり組織的な営業ができない
  • 自分の営業を改善する、変えることができない

営業を強化するためには、まずは弊害となっている経験・感性依存を脱却しなければなりません。
場数、経験で身につけてきた営業を変えるためにはやり方が必要です。
やり方を教え、そのやり方を実践する場(やり方に対する場数)を踏ませることで営業力が身につくのです。

営業は、商品の説明、課題の発掘、提案書の作成やプレゼン、予算や決裁者対策、競合対策、顧客との関係構築、紹介の獲得や新規アプローチ、条件の調整……幅広い仕事で、さまざまなやり方(型や応用方法)が必要です。

必要な幅広い、さまざまなやり方の中からひとつでもよいので、やり方を作り、教え、実践させる場を与えてみてください。

営業は、説明やヒアリングの方法、説得方法などやり方によって大きく成果が変わってくる仕事です。
やり方を変えれば成果も変わってきます。
売上目標達成のために、場数や経験、感性ばかりに依存するのでなく、まずは皆さんの営業のやり方を考えてみてください。

やり方を作り営業を強化する方法は……
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次回は4月16日(月)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
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