第61回 課題解決型営業・戦略営業は顧客の情報がなければ成り立たない

最近、多くの会社で課題解決型営業や戦略営業を強化しようとしていますが、なかなかうまくいかない……その最も多い原因が、顧客を知らない、顧客の情報が少ないことです。営業は顧客を知ることから始める仕事です。今回は、顧客を知る方法についてご紹介します。

課題解決型営業・戦略営業は顧客の情報がなければ成り立たない

顧客の課題や提案を考えることも……
予算や決裁者対策を考えることも……
受注を獲得するための計画やアカウントプランを考えることも……
全て商品からではなく顧客の情報から考える仕事です。

最近、多くの会社で課題解決型営業や戦略営業を強化しようとしていますが、強化できない最も多い原因が、顧客を知らない、顧客の情報が少ないことです。

スマートフォンの営業担当者Aさんが、顧客△△社の総務担当者との商談後、会社に戻って上司に報告していました。

上司Bさん
「△△社との商談どうだった?」

営業Aさん
「課題がないみたいで、検討してもらえませんでした」

上司Bさん
「なんで?」

営業Aさん
「スマートフォンは配布していないけど、営業には既にノートPCを配布しているので問題ないって言っていました」

上司Bさん
「ノートPCを配布していても移動中の連絡とか困っていることはあるんじゃないの? 聞いた?」

営業Aさん
「聞きました。でも、問題ないって言っていたので……」

Aさんは、顧客のことは顧客に聞くしかない、顧客から聞いたことが正しいと思っています。
つまり、「顧客の情報を収集する」=「顧客に聞く」。

しかし、「顧客に聞く」という手段で、必要なさまざまな情報を収集できるのでしょうか?
顧客担当者から聞いたことは正しいのでしょうか?

面談相手の顧客△△社の担当者は、
営業部のことを全て知っているのでしょうか? 営業部長が悩んでいることを知っているのでしょうか?
また、総務部という立場、担当者という立場から見た偏見や先入観はないのでしょうか?

顧客を知るためには、三つの方法があります。

  • 聞く
  • 調べる
  • 考える(想定する)

「考える」は、なんらかの情報に対し行うことであり、「聞く」「調べる」という方法で収集した情報が必要です。
つまり、顧客を知るということは「聞く」「調べる」という方法で情報を収集し、収集した情報に対して「考える」ということで成り立ちます。

では、どうしたら「聞く」「調べる」という方法で顧客の情報を収集することができるのでしょうか?

顧客を知るために「聞く」ということは、顧客の情報、または顧客の業界など参考になる情報を持っている人に聞くということです。
つまり、顧客に聞く以外にも、同僚や先輩など顧客や顧客の業界に関わったことのある人、友人や親兄弟など顧客の業界にいる人、知っている人に聞くという手段もあるのです。

また、「調べる」という方法に対しても、インターネットが普及しさまざまなメディアがある今日、さまざまな手段があります。

顧客のホームページには、会社概要や事業内容だけでなく、IR情報、採用情報などにも有益な情報がたくさん掲載されています。
インターネットでキーワード検索すると、業界のトレンド、業務プロセスや仕事内容などさまざまな情報を収集することができます。
無料で参加できるセミナーや展示会も数多く開催されています。業界固有の情報や課題、事例などインターネットでの調査より具体的な情報を収集することができるでしょう。
新聞や業界紙などを継続的に読んでいると、業界の背景やトレンドなどが知識として蓄えられます。業界の背景やトレンドの知識は戦略や顧客の課題、提案を考えるために必要なものです。

皆さんは、営業活動の中で幾つの手段を使っていますか?

営業活動では必要な情報、正しい情報を入手するということが大切です。
そのためには、さまざまな手段でより多くの情報を収集し、顧客から聞いた情報と比較し、聞けなかった情報を想定する、聞けた情報が正しいか否かを考えることが必要です。

顧客を知れば、提案や戦略を考えられる
知らなければ商品紹介か御用聞きしかできない
それが営業です。

多くの営業担当者が商談や提案、資料作成や社内調整などに追われ、「顧客を知る」ということをないがしろにしてしまっています。
また、会社や営業部でも、営業進捗や商談情報、営業方法や商品知識……顧客の情報を共有することはないがしろにし、営業方法を含め自分の会社のことばかり共有しようとしています。

しかし、顧客の情報があれば適切な営業を行うことができ、より効率的に営業活動を行うことができるのです。
ぜひ、顧客を知るための方法と手段を増やしてみてください。

顧客を知るための方法は……
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次回は6月18日(月)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

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