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第62回 「主役は営業ではなく顧客」が営業の本質
よく「うちの営業は商品紹介ばかりで顧客のことを考えない」ということを耳にします。「商品を売る仕事」と考えると商品の視点から考えてしまいます。しかし、「顧客が買うことを実現する仕事」と考えたらどうなるでしょう? 今回は、営業強化に必要な営業という仕事の本質についてご紹介します。
「主役は営業ではなく顧客」が営業の本質
営業とはどのような仕事なのか?
営業は商品を売る仕事……このように思っている人が多いのではないでしょうか?
「商品を売る」ということと「商品を買う」ということは同じです。
どちらかがあって、どちらかがないということはありません。両方そろって初めて成り立ちます。
営業の立場では「商品を売る」
顧客の立場では「商品を買う」
では、「営業が商品を売る」=「顧客が商品を買う」という結論を決めるのは、営業と顧客のどちらでしょうか?
顧客の状況や条件などを考え、営業が「売る、売らない」を決めることもあるかもしれません。
しかし、ほとんどのケースで顧客が決めています。
ということは……
営業とは、「商品を売る仕事」ということは正しくなく、正確に言うと「顧客が商品を買うことを実現する仕事」なのです。その結果として「商品が売れる(商品を売る)」のです。
この営業という仕事の本質を間違えてしまうと営業のやり方や進め方、教育や指導も間違えてしまいます。
皆さんも一緒に考えてみてください。
「利便性を改善したスマートフォンを売ってきてください」と言われたときに何を考えるでしょうか?
改善したスマートフォンの良さである、機能や使いやすさなどを理解し、どのように説明しようかを考えようとする……。
では、「ガラケーを使っているお客さんがスマートフォンを買うことを実現してきてください」と言われたらどうでしょう?
おのずとお客さんがどうしたら買ってくれるかを考えようとします。
お客さんが何を求めているのか? 何を欲しいのか? を考える。
すると、
- お客さんがガラケーで苦労していないか? 外出先でメールやカレンダーを使いたくないか?
を考えようとし、その理由である
- 外出が多いのか? どんな仕事をしているのか?
を知ろうとする。
また、お客さんがどうしたら理解してくれるのか? を考える。
改善した機能や使いやすさばかりではなく、
- お客さんにとってスマートフォンを使うことで何が良いのかを考えようする。
- お客さんに分かりやすい言葉や説明方法を考えようとする。
また、お客さんがどうしたらお金を出してくれるか? を考える。
すると、
- お客さんがお金に余裕があるのか、家計や収入を気にするようになる。
- お客さんがどのようなテーマや内容を重視し、何を伝えたらスマートフォンにお金を出そうとするかを考えようする。
「自分が商品を売る」=自分の立場、自分中心
「顧客が商品を買う」=顧客の立場、顧客中心
「商品を売る仕事」と考えていると、自分のこと(商品や自分の会社のこと)を知り、考える時間ばかりになってしまいます。
しかし、「顧客が買うことを実現する仕事」と考えると、顧客のこと(顧客の状況や課題、顧客担当者の立場やタイプ、予算など)を知り、考えなくてはならなくなります。
営業は「商品を売る」ことを自分では決められません。顧客が決めるのです。
つまり、主役は営業ではなく顧客です。
とすると、営業とは、主役である顧客のことを理解し、顧客の立場でどうしたら「顧客が買うこと」を決めてくれるのかを考える仕事なのです。
「顧客が買うことを実現する仕事」の営業方法は……
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次回は7月17日(火)更新予定です。
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